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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第68章 忍び寄る影


ノックリストについても聞かされ以降、どうやら管理体制が厳しくなったらしい。…らしいというのも、あくまで下っ端の新人である私がその重要なことに直接関わらせてもらえていないから。
会う時間は減って恋人の時間より、上司と部下の時間が増えたこと。
…ただ毎日作るお弁当は、翌朝私のデスクの上に空の状態で置いてあって。それだけが、零との恋人の時間を感じさせた。
仕事(公安)中ならこんなこと考えなくてすむのに。
探偵事務所は…いい意味でも悪い意味でも、平和なのだ。先輩は。
事件を呼ぶ少年がいない限り、の話だけど。
そんなことを思っていれば、一人だった事務所にコナンくんが入ってきた。

「○○さん、一応耳に入れておいたほうがいいかなと思って」
「私に?」

安室さんに付きまとっている人がいる、とコナンくんが私に言ってきた。
…いつも通りだけど、零は相変わらず…

「言わないよなぁ」

自分でなんとかできる問題だから、なのか。
害がないと判断したからなのか。
…私が同じ事をしたら血相を変えて怒るくせに。
それを愛されている証拠だとは思っているけれど、頼りにされていないとも思える。

「れ…透さんは、なんて?」
「なにも」
「なにも…」

ということは組織の人間ではないということ。
放っておいても害がないと零が判断したということだ。

「それならいいんだけど」

そう言った私に、目の前の少年は少し不服そうだった。

「ええっと…どう、したいの?」
「あの人が何者かはっきりさせたい」
「……透さんが大丈夫っていうなら大丈夫だと思うけど」
「そう言いながら○○さん、調べるつもりでしょ」

…図星。

「僕を頼ったほうが得策だと思うけど」
「……君さ、私より年下だよね?」

工藤くん、とにっこり笑えば笑い返される。

「○○姉ちゃん何言ってるの?僕は江戸川だよ」

急に子供の声音で言われれば、力が抜けて小さな笑い。

「…私が関わってるって絶対に言わないでよ」

あの人に怒られる。
本当、この子が好きだなと目を合わせながら微笑んだ。



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