【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第66章 緋色のエピローグ
「…ありがとう、透さんのこと」
「たまたま利害一致しただけだよ」
小学一年生から利害一致という言葉が出ると笑ってしまう。
「赤井さんのこと、好きなの?」
からかわれてるのかと思ったけど…それはとても真面目なトーンで。
「……赤井さんは苦手。でも、沖矢さんは………分からない」
「…赤井さんのこと、苦手なの?」
「…この間話したでしょ、…透さんが赤井さんのフリして……」
行為に及んだ、と小さく言って。
「怖かったから」
犯されたことじゃなくて。
まるで零に対してと同じように感じてしまったこと。
そして、…私は…
赤井秀一として沖矢さんに抱かれることがあるとしたら…どうなるか、自信がない。
「……沖矢さんがあの人だって分かってたら…頼らなかったのになぁ…」
小さな手が、私の手を握る。
「○○さんがおじさんに連れてこられたとき、蘭姉ちゃんが心配してた」
「…うん」
「僕なりに調べたけど…普通の人だった」
だから、最近の私を知らないと言われて。
「○○さんには…僕らに手を貸して欲しい」
「……透さんも一緒なら」
「よかった」
そこで沖矢さんの名前がでなくて、と言われて…
「それなら、二度とああいうことしない方が良いよ」
「……分かってるよ」
ああいうこと…キス。
出会い頭されるとは思ってなかったし、……自分も応えるとは思ってなかった。気持ちよかった…
「…早く透さんに会いたい」
「○○さんが味方でいてくれるなら、僕も○○さんに手を貸すよ」
「それは……見合わないくらい頼りになる見返りだね」
「○○さんのこと、家族だっておじさんも蘭姉ちゃんも言ってたから」
「………勿体無いよ」
嬉しかった。
「…私は、…沖矢さんとコナンくんに、協力するよ。ただ……私は、何があっても…透さんを優先させて欲しい」
「わかった」
「………ありがとう」
ポアロに着いて、お店に入れば透さんが早退したと言われて。
慌てて携帯を見ても連絡が入っていない。
それはつまり…組織の方。
「…ごめん、コナンくん。私帰るね」
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