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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第66章 緋色のエピローグ


今日だって本当はこれで終わりのつもりだったのに。

「…シュウ、彼女のことも報告するわよ」
「ああ、好きにしてくれ」

ジョディさんとキャメルさんが私を見てくるけれど…

「…私から、彼を奪うようなことが無い限り関わるつもりはありませんから」

それは、ある種の警告でもあった。
彼に手を出すなって。
お互いを知らない私たちの間で、それを何でもないように眺めながら珈琲を飲む赤井さん。

「私、コナンくんに声掛けてから帰りますね」
「ああ、また」
「…貴方と二人きりじゃないところなら、また」

どういう意味、と後ろから聞こえる声を背にキッチンから去る。
…また、やってしまった。
キス。
こんなの、ただの尻軽女(ビッチ)じゃないか。
求めてしまう自分が嫌になるのに…彼のキスが、堪らなく抜け出せない。

「コナンくん、私そろそろ」
「○○お姉ちゃんだ!」

声が聞こえていたのは分かっていたけど。
久しぶりに会う子供たち。歩ちゃんが立ち上がり腰元に抱き着いてくる。

「ふふ、どうしたの」
「○○お姉ちゃん、コナンくんがまたすごい推理したんだよ!」

さっきのやつか、と分かっていても目線をあわせて聞かせて?と言えば嬉しそうに話す。
……私も、零のことを自慢するのが好きだった。
好きな人の話をするのが、好きだった。
それはいくつになっても変わらないのだろう。
歩ちゃんはコナンくんが好きなんだろうな、と思いながら彼女の話を聞く。
元太くんや光彦くんは、コナンくんと話していて。
そろそろ帰ろうと思っていたのに、ジョディさんたちは帰ってしまったのか。沖矢さんだけが、リビングに戻ってきた。

「○○さん」

○苗字○じゃない、と彼の声に思う。
…零に対して思ったのとは、少し違う。
嬉しさより…どこか、後ろめたさ。

「そろそろ帰らなくて大丈夫ですか?」

夕方前。
…ポアロのシフトで、終わる時間。

「…コナンくん、一緒に帰らない?」

コナンくんずるい!と言いながら歩ちゃんが言うけど、沖矢さんが車で送ると言うから静かになった。

「じゃあ、僕○○姉ちゃんと帰るから」
「みんなバイバイ」

じゃあお先に、と言って沖矢さんに軽く頭を下げて家から出た。



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