【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第66章 緋色のエピローグ
「やるな」
「…偶然です」
どうしてだろう、…零に褒められるのと同じくらい、この人に褒められるのは嬉しい。
「 インチキ? 」
「トリックなんてタネを明かせば大体そうなるよ…」
「そ、そうですけど…」
「…それで?何度も尾行がいないか確認させて私達をここへ呼んで彼女を連れてきた理由はなぜ?上達した変装術を見せたかった訳じゃないでしょ?」
そうだ。…コナンくんからだったから、私はここに来たのに。
「今朝、キール…水無怜奈からメールが届いた…」
喉元のスイッチを押す仕草。沖矢さんの声から、赤井さんの声に変わる。
本当に心底関わりたくない、と耳をふさいで背中を向けた。
…零や公安が知っている情報以外、私が知っていたら不自然じゃないか。
大体日売テレビの人気アナウンサーの名前がなぜそこで出てくるんですか。
「じゃあ赤井さんが生きてるって事は奴らにバレてないようですね!」
私たち以外、という目で視線が痛い。
私を、関わらせないで。
「ああ多分…だがメールといってもアルファベット3文字だけ…RUM…奴らのコードネームだ…組織にいた頃、2・3度名前は耳にしたが…どうやら奴らのボスの側近らしい…」
ラム。
サトウキビの廃糖蜜または絞り汁を原料として作られる蒸留酒。
甘めの…味。
「単語だけを送信して来たという事は…それだけ切迫した状況で打ったメールでお前に伝える余裕がなかったんだろう…とにかくいよいよ、大物が動くとジェイムズに伝えてくれ…ジン以上の大物がな!!」
緊張感が走る。
…困ったな。
この人は、私を組織に関わらせるつもりだ。
「君には、変わらず手を貸してもらいたいのでな」
「………感謝は、してます。ただ…これからはなるべく関わりたくありません」
「○苗字○さんは、安室透の彼女なんでしょ?どうしてシュウと」
「沖矢さんとコナンくんに前に助けてもらったんです……」
公安の任務中に、と付け加えれば驚いた表情を浮かべられて。
「シュウ、聞いてないわよ」
「この人が喋ったら」
「話さない、彼女はこの国よりも守りたいものがあるからな」
降谷零。
「…話さないことは約束できますが、これからについては少し考えさせてください」
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