【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第65章 甘く安らぐ時間※裏
「…眠そうな目」
「…イくのって…結構消耗するんだよ…」
「少しだけ寝てもいいけど…どうする?」
「少しだけ…?」
「…俺もシたいから」
こそ、と囁くような甘い声。
「っ…そんなこと言われて寝れると思ってるの」
大丈夫、と甘い声と腕枕で抱きしめられて。子守唄でも歌うかのように優しい声が耳元で歌を奏でる。
なんでこんなに甘いのか、零を見上げると額にキスをされて優しい笑顔で。
「少しだけおやすみ」
たまにはこういうのもいいな、と言う零の声が…少しずつ遠くなっていった。
零の腕に抱きしめられた状態で目が覚めた。
後ろから聞こえる寝息は、零のもの。
…眠りに就く前はまだ外の陽がカーテンの隙間から溢れていた気がするのに、今は完全に陽が落ちていた。
腕の中から抜け出そうにも、その腕はがっしりと固められていて抜け出せない。
沖矢さん…赤井秀一の件で、零は寝てなかったみたいだしこのまま寝かせてあげたい。
諦めて大人しくしようと思い指に何か違和感を感じて、手を見れば両手の薬指に指輪が嵌められていた。
そっと零の左手を見れば、指輪が嵌められていて…泣きそうになるくらい胸が熱くなった。
零の指輪とお揃いの指輪。
零から貰った、婚約指輪。
…私も、この人に何か返せないのだろうか。
返したい。
…もっと、小さなプレゼントじゃなくて。
零が本当に喜んでくれるもの…なにか。
「ん…○○…?」
小さな声がして首元を舐められて、んっ、と小さく声がでる。
「…おはよう」
「起きてすぐ変なことしないでください」
「○○がかわいい顔してたから、…つい」
つい、じゃないと思いながら振り返って零にキスをした。
「指輪」
「…返しそびれてたから」
「零、…ありがとう」
大好き、と言って寝起きの零に抱き着いてキスをして笑う。
零が幸せそうなのが、一番嬉しくて。
「少し遅くなったけど、ご飯何食べたい?」
「…○○」
「ん?」
「○○が食べたい」
甘い甘い声と甘い微笑みを向けるのは…絶対、狡い。
「熟れて食べごろですね」
「…っ、寝ぼけてるの?」
冗談だよ、と耳元で甘く囁かれて。
「…○○が可愛かったから、つい」
クスクス笑われて…掌で遊ばれている感じ。
体を起こして軽く伸びをする。
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