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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第59章 緋色の希望


「携帯寄越せ、タブレットも全て」
「…急でしたのでタブレットは家に置いてあります」
「わかった」

携帯だけ渡せば、零はそのまま私を…取調室に連れてきた。

「赤井秀一を捕まえたら、お前の尋問も開始する」
「降谷さん、何をされる気ですか」
「お前と別れる用意だよ」

切ない顔で笑うのは、卑怯だった。

「この後の作戦は」
「…被疑者のお前に話せと?」
「赤井秀一は…組織に、FBIに侵入した。そこで犯した罪の話なら、貴方が裁く話じゃない…貴方がしたいのは」

復讐だと。

「――…ごめんなさい、感情的になりました」

この人を騙し続けるのはもう無理だったのだと…これで暴かれてすべて楽になるのが、私の未来だったのだと思うことにするしかなかった。
降谷さんが私の手首を掴んで…目を合わせてきて…その目から、顔を反らした。
泣きそうになる。
零から向けられる嫌悪。
貴方にだけは、嫌われたくないのに…言動が一致しない。

「お前はこの作戦には参加させられない」
「はい」
「急に…物分かりがいいな…」
「自業自得ですから。…ただ、沖矢さんは赤井さんである可能性は…高くないと思います」

零にあの事だけは、知られたくない。
…そして個人的にも…赤井さんを捕まえて組織に渡すなんてこと、したくない。というか…捕まえられたとしても、私は彼を逃す方法を考えるだろう。
そんなことしたら…公安全体を敵に回すのだろうけど。

「○苗字○、お前はどうしたい」

降谷さんが、初めて訊ねてきた。
私の意志を。

「…私は……」

貴方の役に立ちたい。
それが、言葉にできなくて。
私は…

「結城と清水と行動しろ。風見はこっちに回る」

零が、私の前襟をつかんで…引き寄せた。
少しだけ、息が詰まる。

「俺を裏切るな」

…それでも、信じたいという気持ちが痛いほど伝わって。

「お前を見張る人員が勿体ないからな。ただし、沖矢昴のそばには行かせない」
「…行けなくていいですよ」
「赤井の仲間を追い詰める」
「あの二人を…?」
「赤井も、仲間に何かあれば大人しく拘束されるだろう…もし、そうじゃなくても○苗字○が本気なら、できるよな」
「…本気なら、ですか」
「どうする」
「貴方の信頼のために…捕まえます」




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