【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第59章 緋色の希望
嘘だった。何かあった時に…彼らを逃がすことができるように。
それがコナンくんと赤井さんに対して、私ができること。
零の信頼を永遠に取り戻すことができないとしても。
彼らにすべてを預けた私ができること。
零を復讐者にしないために。零に真相を知られないために。
私の、自己満足のために。
触れることが許さない零の、近くて遠い距離感。
清水さんと結城さんが、取調室前で待っていて私が出てくると安堵の表情を浮かべた。
「○苗字○さん、よかった」
「次何やらかしたんだよ」
「新しくはヤらかしてませんよ、前のヤツの残りです」
「尚更タチ悪いな」
冗談を交わす私たちに、後ろから冷たい空気を感じ、失礼します、と上司に敬礼をして…二人の後を追う形で走る。
作戦は二つに分かれて行われる。
工藤邸に向かい、零が直接沖矢昴と話し、正体を暴く。
また、同じくしてFBIも来葉峠に向かうであろうと読み…待ち伏せをする車両と、後を追う車両に分かれて追い込む。
清水さんと結城さんは先に待ち伏せする班に。
車に乗り込み、運転席には結城さんが助手席に清水さん、後部座席に私が座る。
「運転、しましょうか?」
「いいよ、一応見張られる立場として○苗字○さんは同行するんだから」
「それにあの降谷さんの彼女っていう時点で怖い」
「いや…降谷さんは、いつもは安全運転ですよ」
「でも、こういう時は?」
「保証しないです」
だろっ、と笑われて…なんだか、落ち着いた。
「○苗字○さんは、彼女っていう立場もあるから色々誤解されやすいのかもな」
「誤解、ですか?」
「俺たちからみたら降谷さんが原動力で動いているのくらい見てわかるのに」
「…………は?」
こんなときだっていうのに…顔が赤くなって。
『無駄話をする余裕があるということは余裕があるということだな?』
「「「誰だよ、無線繋げたままなのっ!!!」」」
いい加減にしろと降谷さんに無線越しに注意を受け、無線を切って笑いがでた。
車を走らせながらしばらく笑って…
「終わったら○苗字○さんの奢りでまた飲みに行こうな」
「なんで私なんですか」
「「心配かけたから」」
その通りですね、と何も言えなくなって。
もし明日からもここにいれるなら…
「わかりました」
明日も変わらず、ここにいれるなら…
誰よりも最初に、零に会いたい。
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