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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第58章 最後のパーツ


「満喫したのなら…とっとと出て行ってくれませんかねぇ…僕の日本から…」

その言葉の重みは…降谷零からの言葉で。胸が、締め付けられる。

「ねぇ、ちょっとゼロ…いや、安室の兄ちゃん…」

挑発を繰り返す透さんの腕をコナンくんが引いて、何故か私も呼ばれて腰を屈めた。内緒話をするように口元を隠し耳を近づける透さんと私。

「安室の兄ちゃんってさ…敵…だよね?悪い奴らの…」

コナンくんが、私が答えなかった質問を零へ直接する。
だけど…透さんはコナンくんのその言葉に

「ゼロ…」
「え?」
「僕の子供のころのあだ名は本当にそうだったんだ…君は少々僕のことを…誤解しているようだ…」

そう言い返した。何かを含めた怖い笑みを浮かべて。
手が震える。
透さんがそろそろ謎解きを、と言って立ち上がって離れていく。

「まずはさっきの答案用紙をよーく見てください…何か気づきませんか?」

私はコナンくんの手を握った。
大丈夫、信じて欲しい…そんな思いを込めて。
透さんに呼ばれてすぐにその手を離したけれど。
少しで良いからこの気持ちが、伝われば良い。
私は…透さんは、貴方の敵じゃないって。

「降参だよ安室君…教えてくれんか?この写真の答案用紙のどこが変なんだね?」
「ちゃんと見てくださいよ!一番上に見えてる答案用紙の答えとその下に隠れている答案用紙の答えを…例えば、この4+5…答えは同じ9なのに、上のは〇でしたのが✔︎…それにこの“ひらいうみひこ”って子の答案用紙は✔︎だらけなのになぜか100点満点の花丸…変だと思いませんか?」

今回の事件は、勘違いによるトラブルが原因で。
日本では正解には〇、不正解には✔︎を付けるが、アメリカでは正解に✔︎をつけるという採点方法の違い。
そして写真に写る答案用紙は上に写るものと、下に写っているもので…採点方法が異なることがそこから読み取れる。
決め手となるのは右上に記載された花丸。
時計回りと逆に描かれている花丸は、それが左利きの人が描いたのだと読み取って…
容疑者の中の左利きの人…つまり神立さんが犯人だということ。
推理披露が終え、透さんが私に何やらアイコンタクトをするから…何用かと確認するために近づいたときに…入口に駆け込んでくる女性。

「昏睡状態の澁谷先生の容態が悪化して…危険な状態だって…」

その場の空気が、一気に張り詰めた。

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