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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第55章 都合の良い存在※裏


早くしないと置いてくぞ、と零が玄関から声かける。
誰のせいで服をまた着直す羽目になったのか、と追いかけて車に乗り込み文句を言えばお前のせいだなと言われる始末で。
今日の零は、ご機嫌に意地悪だった。


「○苗字○さん」

…出社すぐ、風見さんに呼ばれて朝早く来るという約束についてお小言を言われました。
勿論、零の性格上通常より一時間以上早めに出社してるのに。この人は何時からいたのか。

「風見、それくらいにしてやれ」

零が庇ってくれた、というか原因零にもあるからと思って見上げたら、零の顔が見えないほどのたくさんの書類を両手に渡されて。
…重すぎる。

「時間の無駄だ」

最っ低!!!と心の中で降谷さんに向かって舌をだした。

「……相変わらず仲が良いですね」

風見さんが呆れたように私に言って、手に持つ書類の半分を取ってくれて。
今の流れのどこでそう感じたのか問い詰めたい気持ちを飲み込んで、感謝を告げてデスクに向かう。

「風見さん、今日のご予定は?」
「午前中はデスクですが、午後からは打合せと外に」
「降谷さんは…?」
「…聞いてみたらいかがですか、ご自身で」
「邪魔じゃないかなって」
「私の邪魔はしていいんですね」
「そういう意味じゃないです、ごめんなさい」

冗談ですよ、と言われて資料をいくつか仕分けされて渡される。

「これ、急ぎ分なので仕上げたら持ってきてください」
「…了解です」

早速パソコンに向き合って、通常通りの出勤時間になって人が増えてきたことにはもう、降谷さんの姿はなかった。
…そりゃ、潜入捜査官が頻繁に人が多い時間にきているもの問題だよな、と…零に甘やかされてばかりいるので、たまに忘れそうになる。
……安室透でいる時間が長い彼といるのに、私といる時間は零でいる時間が多いから。




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