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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第53章 報告※裏


お昼にカレーをよそって、先輩は当たり前のように座って。私はキッチンを使う。
…なんだか、家族みたいだなと思ってしまう私は図々しい。
先輩が娘のように思ってると言ってくれたから。

「先輩、先に事務所戻ってますよ」

食べ終わってお皿を洗い、寛いでテレビを見る先輩を置いて事務所に戻ろうと戸を開けた。

「…透さん?」
「休憩頂いたので、よろしければと思って」

お盆に乗せた、シフォンケーキ。

「美味しそう」
「試作品です、先生は?」
「まだ上にいるよ」

事務所の戸を開けてどうぞ、と中に入って…

「お茶淹れるね」

シフォンケーキをテーブルの上に置いて、ティーカップを取り出す私を透さんが背中から抱きしめてきて。

「……どうしたの?」
「いえ、今日も賑やかでしたので少し」

疲れました、と耳元で囁かれて。

「女子高生?」
「若いですよね、勢いが」
「それ、貴方が言う?」

そろそろ離れてください、と言えば渋々離れられて。

「ありがとう、来てくれて」
「……貴女だけのためじゃありませんよ」

甘やかされてる自覚がある。
その自信もある。
事務所に戻ってきた先輩が、明らかに嫌そうな顔をして。

「人の事務所でイチャつかないでもらえるか」
「イチャついてないですよ、お茶飲んでるだけです」

先輩もどうぞ、とカットしたシフォンケーキと珈琲を机の上に置いて。
暫く最近の依頼の話や、先日の病院での話を少しだけして。

「そろそろ休憩終わるので戻りますね」
「うん、行ってらっしゃい」

だからイチャつくな、と先輩が言って私たちは目を合わせて笑い合う。
透さんが去って……しばらく仕事をしながら顔が緩む私に気持ち悪いと先輩がはっきり言って。

だから、正直忘れてた。
あの子がどれだけ心配してたか。
あの子が、…走って帰ってきてくれた時に。

「○○姉ちゃん!」
「コナンくん、おかえりなさい」
「…よかった…っ」

事務所に入ってすぐに顔を合わせると…ほっとした顔をされて。

「どうした?」
「あー…えっと、学校で嫌なことがあったみたいだから…上に連れて行きますね」

行こうね、と抱き上げても抵抗をしないコナンくん。
家に入れば下ろして、と言われたのでおとなしく下ろした。



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