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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第53章 報告※裏


自宅に入って、こみ上げる嬉しさににやけが止まらなかった。
…花を飾る習慣がなかったから、花瓶がない。
グラスに水を入れて、花をひとまず机の上に飾った。
…ドライフラワーかプリザーブドフラワーか。
確かどちらも自宅でできるはず。
……この花束を、私は捨てたくない。

「零に、会いたい…」

つい先ほど離れたばかりなのに。
…電話したら怒るだろうか。
呆れるだろうか。
それでも…零に電話をした。出られないならそれでよかった。でも…甘えるのも頼るのも一番に零を選ぶことを、約束したから。

『はい』
「あ、でた」
『…どうした?』

悪戯なら切るぞ、と言われて。

「…零が、家に帰るまでの運転時間で良いから話したい」
『さっきまで話してただろ』
「家に帰ったら寂しくなった」
『………素直になるの珍しいな』

人のことなんだと思ってるんだろう、と小さく笑ってしまって。
…そんなに、意地張ってただろうか。
零の前で。

『…少しだけになるけどいいのか?』
「うん、…というか今ので結構落ち着いた」
『単純だな』
「零が好きなだけだから」

クローゼットを開き、久しぶりにスーツを取り出して、帰りに着る用。

「ねぇ、零。また…服そっちに持って行って良い?」
『あぁ…俺も、○○の家に行ける時間増やすよ』
「……それは嬉しいけど、無理はしないでね」
『○○がちゃんと見張れば良いだろ?』
「…そうしたいけど、…」

降谷さんの仕事には風見さんがいるわけで。
着替えを進めながら、零と話を続ける。

『○○、そろそろちゃんと報告あげろよ』
「………はい」
『そんなに上げにくい報告内容なら、相談してくれ。…○○は、なんのために隠したいんだ?』
「…ううん、零が一番だから大丈夫」
『○○、…○○が一人で抱えることはない。俺にも、○○の悩みを分けて欲しい』
「うん…ありがと……大好き」

愛しさがこみ上げて、リップ音をたてて携帯にキスをした。

「零…大好き」
『…○○、…そろそろ着くから切るぞ』
「うん、ありがとう」
『それから…煽ったこと忘れるなよ』

また後で、と一方的に切られて…
煽ったというのが携帯にしたキスに思い当たれば、笑ってしまった。



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