【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第53章 報告※裏
シャワーを零が浴びている間、シーツを剥がして畳んだ。
…汚してごめんなさい、と謝罪を込めて。
外の景色はまだ暗くて…夜に見た景色とは違い、真っ暗に近い。
窓ガラスに映る自分の顔に…昨日の表情を思い出して深く溜息を吐いた。
…いつも、あんな顔してるんだろうか。
たまに、…自分が零に感じる顔を見る機会が、確かにあったけど…すぐに目を逸らしたし、…それに、昨日ほどじゃなかった。
零との体と相性、ヨすぎだよと窓ガラスに額をつけてガラスの冷たさに…頭を冷やす。
「○○、大丈夫か」
服くらいちゃんと着て、と零に向ける日がくるとは思っていなかった。
まぁ、この人の場合は計画的なんですけど。
腰にタオル巻いて、肩にバスタオル。濡れた髪は、いつも以上に色気を放って。
「待っ…」
「ん?」
「…っ…あぁ、もう…っ…抱かれたくなるじゃん、馬鹿ぁ」
「触ったらダメなんだろ?」
…あと何回シたら…零に満たされるんだろう。
「…抱き合ってたら…朝、間に合わない…」
「……まだ間に合うけど?」
「もっともっと欲しくなる…」
ギリギリ、触れない距離まで零が近づいて…
窓ガラスに、背中が当たる。
「…外が明るくなったら…○○のエッチな姿、外から見られるかもな」
「っ…零のエッチな姿…誰にも見せたくない」
見せつけたい独占欲と見せたくない独占欲。
零と私の真逆の気持ち。
「○○…抱かれたい?」
もう、触ってくれたら良いのに…
全てがギリギリまで近づいてるのに、触れてくれない。
だめって言ったのは私なのに…
「…触ってほしいって言えば…もっと気持ち良くできるけど?」
「絶対…言わないっ」
離れて、と言えば零が笑った。
もう、ここまで来たら意地だった。
「わかった、諦める……ははっ」
その顔で我慢するのも可愛いな、と声を上げて笑う零に…絶対ロクな顔してないのはもう自覚してるから。
「○○、でも…この部屋出たら、手繋ごうな?」
なんて甘い人なんだろう。
零の言葉に頷いて、テーブルに置いたままのジュエリーケースをしまい、花束を腕に抱いた。
「…零ってほんと、キザだよね」
「その話掘り返されると恥ずかしいので黙ってもらえますか」
零と部屋を出て、手を繋いだ。
花言葉は“貴女一人を愛し続けます”。
その言葉を脳内でまた繰り返した。
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