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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第52章 私だけに見せる※裏


「や、たまたまお酒の趣味が一致して」
「酒の勢いでなだれ込んだと?」

いや、多分、ない。
と記憶をさかのぼってもどれもお酒を言い訳にしただけなのであれはお酒の勢いじゃないと自分の中でフル回転させたけど、どう返答しても零を怒らせない言い訳は思いつかない。

「二人きりにはもう絶対ならないっ…それで、許して…?」
「………やだ」

拗ねたような声。
声音の変化に少しだけ安心した。

「…零…」

指を絡めて、指輪が重なる。
それが嬉しくて愛おしくて。

「…零が、好き」

見上げて重なる唇は、これ以上にないほど甘くて。
シたいと囁く零に飲みかけのシャンパンが少しだけ気になってはいたけれど、抱き上げられたベッドに寝かされるときには、忘れていた。
…零と私の根本的な違いに多少の不安は覚える。でも、間違っているのは私だってことくらい理解している。
いつだって零が正しい。
零の正義は…正しいんだ。

「どうした…?」
「…あ、…」
「俺以外のこと、考える余裕よくあるな」
「…零のことに決まってるでしょ」

不安は言葉にしてくれ、と零が言う。
…こんなにも優しい人を、私は独り占めしたいんだ。
誰にも…どんな相手にも、この国相手でさえ、嫉妬する。

「零が大好きって…話」
「誤魔化しただろ」
「誤魔化してないよ」

指輪が重なって、金属の感覚が…指に伝わるのが嬉しくて。
どうしようもないくらい、嬉しくて。

「…今の私の気持ち…全部零に伝わって欲しい」
「聞きたい」
「口にするのは、恥ずかしいからやだ」
「…聞かせて」

○○、と耳朶に甘い声。
首筋を舐める舌。

「恥、ずかし」
「ん?」

甘い甘い声。
零の甘い声。
恥ずかしくて、愛おしくて。

「…イイ顔」

それ以上言わなくても分かる。
…蕩けてしまいそうなのは、顔だけじゃなくて…全部だった。

「…すごく、嬉しかった…」
「ああ…伝わってる」
「零……今日のこと、ずっと絶対…忘れない」

甘い雰囲気に、期待してる。
これ以上を。
キスが深くなるのも嬉しくて、でも…夢中になるのも少しだけ勿体なくて。

時間が止まればいい。

このまま何も気にしないで零との世界だけに、沈んでしまいたい。




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