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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第52章 私だけに見せる※裏


「…お化粧、とか教えてもらいたい」
「本気なら怒るぞ」

組織相手で遊びじゃない、って当たり前に言われてそうなんだけど…そう、なんだけど私が考えているのはそうじゃなくて。
ベルモットさんに近づけば零の役に…なにかあったときに、沖矢さんの役にだって、コナンくんにだって。
私は、零が危ないところにいるのをわかっていて、なにもできない今が嫌なんだ。

「ベルモットさんのこと、話さなくなったら…バーボンの話してくれなくなるし、私自身が接点なくなる。私は…バーボンを名乗る貴方のことも、知りたい」
「俺は関わらせたくない」
「…零と透さんに関わってるなら切れない話だと思いますけど」
「警察組織の○苗字○○○として、任務を遂行するなら止めるつもりはない。…ただ、お前のそれは」

俺のそばにいたいだけだ、と言われて。

「それの何がいけない?」

私の全てなんだ。
それが。

「貴方は日本という国のために、降谷零の人生を費やすなら…私が降谷零という存在に、全てを捧げたいと思うのは…何が違うの?」

暴論だと、思う。
私の目を真っ直ぐ見つめるその瞳が、愛おしい。

「……それなら、離れようとするな」

小さなため息と諦めと。

「…お前のそれを否定したら、勝手に俺のためだと言って動く上に離れるんだろう?…俺の知らないところで勝手に傷ついて、今回のように」

お前のその考えを認めたわけでもないし、認めるわけにもいかないという前提の上で。

「それなら、そばに置いて俺がコントロールすれば良いだけだ」
「…どっちが暴論」
「○○の扱いに慣れたと言ってくれ」

多分、これから先…私と零が守りたいものに対しての大きな食い違いが起こる気がする。
でも…それでも、この人はそれを含めて私を受け入れてくれる。
そんな気がする。

「ベルモットと会う時は、必ず俺も同席すること。沖矢昴には二度と会うな」
「後半は承諾しかねます」

これ以上は譲れないとでも言うように零が後ろから耳朶を噛む。

「っ…や、だ」
「俺もヤダ」
「友達っ…て、言って…」

もうシないから、と俯きながら小さな快楽に堪えて。

「そんなに大事か?」
「…大事、っていうか…飲み友…」
「それは初耳だな」

そういえば言ってなかった、と気づいて。



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