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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第52章 私だけに見せる※裏


それなら私が飲まない選択肢だってある。そんなことをほんの少し思っても…零に勧められると、そんな考えは無くなった。
シャンパンはあまり飲まないから、…正直酔いやすくて少し苦手。
今日だけは…お酒に酔いたくない。

「あぁ…それから、これ」

零が、警察手帳を目の前に置いて。

「帰って、くるだろ?」
「破棄…してなかったの」
「○○が戻ってくること、信じてたから」

期待を拭えなくて、と笑う零が切なくて。

「二度と、しない…っ…絶対…絶対、零を…そんな気持ちにさせることしない…っ」
「…あぁ」

信じる、と笑って零がキスをして。
テーブルが邪魔で…
深くキス、できない。

「…零、好き」
「ついでに…いっそ、結婚まで偽装してしまいたいな」
「私の初めてを安室さんに渡すつもりはないです」

それは、嫌だ。

「私の戸籍に載る名前は…降谷零がいい、です」
「○○…抱きたい」

グラスのなかのシャンパンを煽って…飲み干した。

「っ、待って…!」

立ち上がろうとする零を呼びかけで止めて。
…あいたグラスにシャンパンを注いだ。

「……もう一杯、お話ししたい」
「はぁ…その分、一回増やすから」

話したいこと。
話さないといけないこと。

「……沖矢さん、のこと」
「したくない」

それは聞きたくないと零が子供のようなことを言う。

「報告書面として提出してくれれば良い」
「…ひとつだけ!!」
「機嫌悪くなっても知らないけど」
「……沖矢さんとは、肉体関係以外…恋人みたいなこと…してないから」
「…それが?」
「さっきもだけど…沖矢さんとって…私」
「あぁ、もう無理。…黙って」

早い早い、と文句を言えば零がとても怒った笑顔を向けてきて。

「俺の前で他の男の名前出す余裕無くしてやるよ」
「あー……ちょっとほんとに…怖いです」
「まだ話すなら…ここに来い」

零が自分の膝を指して。
…彼なりの妥協。
私の話を、聞こうとしてくれる。

シャンパングラスを持って花束を置いて零の膝に座った。
見上げてキスをして…零が胸の突起を捏ねる。

「○○…、抱きたい」
「んぅ…、待っ…ベルモットさんっ…の」
「あの人には俺から言っておくから連絡きても」
「……私が、会いたいって言ったら?」
「は?」

…私は、零を怒らせるのが得意なのかもしれない。


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