【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第51章 予約※裏
シャワーを浴びて、朝食を食べて。
当たり前のように零といるのが、嬉しかった。
「…出かけるなら一回家帰りたい」
「どうして?」
「…服、前に持って帰っちゃったから」
「あぁ…それなら俺の好みに服選んでも良いか?」
「…え?」
「髪型も…今日は俺の好きにする、っていう日」
…そんなの、嬉しくないわけない。
「零好みに…なる?」
「…もう充分だけどな」
零から落とされるキスに、好きにして欲しいと頷いた。
零好み、と言っていたはずなのに。
ファッションモールに着いて私好みの服を選ぶ零。
「透さんの好みじゃないんですか」
「ええ、…だから○○に似合う服が一番好きですよ」
…零に言われるがまま試着して、それもこれもと零が購入しようとするから止めた。
なんでこんなにされるのか、よくわからないけど。
落ち着いた服とデザインのワンピースとそれに合わせた靴に鞄、零が楽しそうだけど…
「…別に私、今日誕生日でもなんでもない」
「そうですね」
「こんなにプレゼント、される理由がない」
「○○が僕の彼女だから、では不足ですか?」
不足だと言いたい。
…彼氏に貢がせてるみたいで、なんだか嫌だ。
「…それなら、○○も何か僕にください」
「え?」
「○○が選んで、○○の好みで」
それは、なんだかデートみたいだって思わず顔が緩めば、デートなんですけどね、と返されて。
「…透さんに、かぁ」
ふと。
怒られるようなことを思いついてしまって肩を揺らした。
「どうされました?」
「いえ、なんでもないです」
調理器具やマッサージ器を思い浮かべてしまって、母の日のプレゼントじゃんと自分の脳内にツッコミをして笑う。
「やっぱ…ゼロはみんなのママだね」
「○○、今失礼なこと考えましたね」
言ってください、と言われれば嫌だと言って先を歩く。
足を止めたのは万年筆の専門店。
…これなら、透さんも零も、使ってもらえる。
店内に入っていくつか試して…デザインを悩んだ末に決めた万年筆を購入して、零に渡す。
「…ありがとうございます」
思った以上に嬉しいですね、と照れた笑顔で。
そろそろ行きますか、と言われて…零がここに来た目的を知った。
手を引かれて、たどり着いたのはジュエリーショップ。
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