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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第50章 全部受け止めて※裏


もう一人会わないといけない人がいた。
沖矢さんと話し終えて…その人の場所に向かう。

「いらっしゃいま……」
「席、空いてますか?」

喫茶店ポアロ。
透さんとも、ちゃんと話したい。
私が話すべき二人目の人。

「久しぶり、ですね」
「避けてたもんね」

私が、と言ってカウンター席に案内される。
下校時間前で、ランチタイムを終えてるから…
店内は静か。

「梓さんは?」
「休憩中です」

ショートケーキに珈琲を注文して、カウンター席から透さんを見つめる。
…好きだなって。

「透さんに、お願いがあってきました」
「はい…お困りごとですか?」
「そうだね、困ってることです」

私の日常から、貴方がいなくなって。

「……やっぱり、透さんが好きです」
「はい…?」
「やり直してもらえませんか」

突然の私の告白に、透さんが戸惑っていて。
皿に盛り付けるケーキを崩した。
…それは、なんだかとても嬉しくて。
透さんをそれだけ戸惑わせることができたことが嬉しい。

「…ここで初めて会った時、私…貴方が怖かったです」

私の知らない名前を言う安室透が。

「でも、…今は、透さんがいない方が怖い」
「………仕事中で良かったですね」

崩れたのでサービスです、とお皿の上で倒れたケーキ。

「気にしなくて良いのに」
「…仕事中じゃなかったら、貴方を今すぐ抱き締めたのに」

それはきっと…抱き締めるだけじゃない行為ということが、声音で分かる。

「話終わったら、電話する約束だったと思いますが」
「それは零の方だから。私が、話したい人は透さんも含まれてるから」
「相変わらず屁理屈がお上手で」

○○、とカウンター内の手元を指差す透さんが、何かあるのかと思って身を乗り出したら…キスされた。

「………好きですよ、○○」
「私もです、透さん」

優しい声音が嬉しくて、もう一回とキスをねだって重なる唇。

「安室さ〜ん、聞いてくださ……」

休憩終わりで帰ってきた梓さんに…カウンター越しのキスが、バッチリ見られて。

「○○さん!!良かった!!仲直りしたんですね!!」

驚く勢いで抱きつかれた。
おっと、と抱きとめて梓さんが半泣きで。

「別れてから全然来てくれないし…シフトも減ったって毛利さんから聞いて心配だったんですから!」



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