【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第50章 全部受け止めて※裏
「私があなたに渡せる彼の情報は、これ以上何もないと思います。ただ、零は貴方を憎んでる。もちろん、“スコッチ”の一件で」
「元から好かれてはいなかったがな」
「…だってそれは、…零、FBI嫌いじゃないですか」
愛国主義。
零は、本当にそういう人だから。
「…貴方に二人きりで会うのは、これを最後にしようと思います」
「ボウヤには、秘密にしておくのか?」
「…コナンくんと零のやりとり、好きなんです。零が楽しそうだから。それに…零は敵じゃない。少なくとも、コナンくんの敵では」
「私の敵にもしたくはないのだがね」
沖矢さんの声なのに、沖矢さんじゃない。
「今まで、ありがとうございました」
「協力関係は、これで終わりだと?」
「……貴方の欲しい情報で何かあったら、また連絡しますよ。ただし、その時はコナンくんも含めて」
腕を掴まれて…キスをされた。
意図が分からないキスに戸惑う。
「キス、好きですよね…?」
「そうですね」
…貴女とのキスは、と沖矢さんの口調で囁かれて。
深くキスをする。
零とのキスを上塗りされそうな、深いキス。
やめてほしいと胸板を軽く叩いて訴えるとすぐに離れる。
…無理やりはしないのは、わかっているけど…突然するのはずるい。
「沖矢さん…意図不明すぎ」
「今のこの行為に意図はありませんよ」
今の、ということは最初はあったというわけかと思えば小さく笑ってしまう。
「帰りますね」
「ええ、お気を付けて」
たくさん助けてもらった。
…その人が、赤井秀一かもしれない。
そして、それを否定もしなかった沖矢さんに…答えはほぼ確定。
零にバレたら大変なことになるなぁ…と、そればかり考えてしまった。
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