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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第48章 ギスギスしたお茶会


「じゃあ、楠田陸道って男の事とか知りませんよね?」
「楠田陸道?ああ!そういえばその爆弾騒ぎの何日か前に破損車両が見つかって…その車の持ち主が楠田陸道って男でしたよ!この病院の患者だったそうですけど急に姿くらましたらしくて…謎の多い事件でね…その破損車両の車内に大量の血が飛び散っていて…一ミリにも満たない血痕があって…鑑識さんが言うには」

一ミリにも満たない血痕。
高速の飛沫血痕。
思いつくのは、拳銃。

まーた物騒な話だな、と正直思って。
今は零とのことを考えたい不謹慎な自分を押さえるしかなかった。


高木さんがいなくなって、零がお先に失礼します、と先輩に頭を下げて車に向かうから…私もその後を追おうとするとコナンくんが手を掴んできて。

「○○姉ちゃん、安室さんと一緒に帰るの?」
「…あー…まぁ、そのつもり」
「野暮なこと聞くんじゃねぇ」

事情を大体察してくれた先輩が、コナンくんを抱えて。

「さっさ行け」

コナンくん、ごめん。
今度絶対埋め合わせしますと心に誓って、零の後を追いかけた。



「来ないかと思いましたよ」

運転席で、エンジンをかけた車の助手席を慌てて開いて。

「…乗っても、いいですか」
「お好きに」

ありがとう、と言って助手席に座ってシートベルトを締める。
…久しぶりに、零の隣にいる気がする。
触れていたい、その一心で零のジャケットの裾を掴む。

「…どうされました?」
「話したいこと、…たくさんあって」

はい、と車を動かさずに私の言葉を待ってくれて。

「謝りたいこととか……恋人、じゃなくなったけど…それでも…好きだってこととか」

だから、貴方に冷たくされると傷つくこととか。

「…痕、消えたから…またつけてほしいとか」
「淫乱ですね」
「…でも、零限定だよ…」

信じてくれなくてもいい。
私が、そんな風に感じてしまうのはいつだって貴方なんだって。

「…他の男に抱かれる理由は?」
「零と別れてからは抱かれてないよ」
「その理屈は頭がおかしいのではないでしょうか」

…キッツイなぁ、と俯く顔が深くなる。

「やっぱり、…降りたほうがいい?」
「その男のところに行く気だと僕は受け取りますが」

…ピリピリしてる。
この雰囲気は、とても嫌いだ。
黙って俯いていると、零は車を動かした。





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