【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第48章 ギスギスしたお茶会
現場検証を終えた、と言う高木さん。
毒はティーカップに塗ってあったと言う。
「あれ、○○さんっ」
「蘭さん、こんにちは」
「コナンくん見ませんでした?って、あー、いたー」
コナンくんを探してやってきた蘭さん。
ダメでしょ、と叱ってるところを見ていたら…心が温まる。
…可愛いね、と同意を求めようと零を見れば…その目には、私はいなくて。
「おい、どーした?さすがにお前もこの毒殺事件は解けないか?」
「毛利先生も解けてないんでしょ?だったら僕に解けるわけありませんっ」
笑う安室さんの姿に……
目を逸らした。
一人窓辺で夕陽を眺めて…早く終われ、と願う。
「○○」
声をかけてくる零に振り返って。
「…そばにいてと言ったり、自分からどこかへ行ったり」
「……ごめんなさい」
零の目に、私がいなかった。
たったそれだけなのに。
それが苦しかった。
「解けました?」
「あー……コナンくん、解けたみたいだよ」
「貴女がですよ」
蘭さんから離れてったコナンくんの顔は、そういう顔だった。
「………ティーカップに、毒が塗ってたならその人なんだろうなとは思うけど、紅茶のほうがよく分かってない」
「そうですか」
では、答え合わせですねと…安室さんが笑ってまた病室に戻った。
病室で始まる推理の披露。
コナンくんが病院から借りたというカップとレモンを使って実際にそれを表現した。
トリックは、ハーブティーの性質をうまく利用したものだった。
青いバタフライピーにレモンを入れると、レモンの酸性に反応して色が赤く変化する。
この方法を利用して、毒を仕込んだカップに入れたバタフライピーを赤く変化させ、ほかの人が携帯の写真に気を取られている隙に、赤いお茶を選んで飲んでいた伊東さんとすり替えて毒殺した。
伊東さんのカップとすり替えた後で中に入っていたレモンを取り除き、それにアルカリ性の重曹を入れて再び青色に戻し、それを自分の使っていたカップのように偽る。
それができるのは高坂さんだけだった。
入院する前から毒を持ち込み、見舞いに来る当日自分のカップに毒を塗り、その容器は部屋の外のどこかに捨てた。
カップについた口紅を慌てて拭いた左手についた口紅が…最後の証拠。
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