【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第48章 ギスギスしたお茶会
ゼロ。
……ヒロくんが、零を呼んでいた。
「ん?どうかしたか?」
表情を変えた安室さんを先輩が気にかけて。
「あ、いえ…僕のあだ名も『ゼロ』だったので呼ばれたのかと」
「なんで『ゼロ』?」
「…透さんだから、透き通るって、こと?」
「ええ、透けてるってことは何もないって事…だから『ゼロ』」
子供がつけるあだ名の法則なんてそんなモンですよ、と安室さんが先輩に笑って…
だから、透だったの?
零…
ゼロ、とヒロくんが呼んでいて。
羨ましくて。
私も零をそう呼んでみたことがあって……ダメって言われたのは、温かい記憶。
コナンくんからの視線に気づいて…私と安室さんを強い瞳で見るから、口に指をたてて…彼に気づかれないように小さく笑いかけた。
コナンくんには、…話したいなって。
安室さんは…零は敵じゃないよって。
…でもきっと、零はコナンくんがそこに辿り着くことを…少しだけ楽しんでいる気がした。
「コナンくん、さっきから怖い顔してる」
「…○○姉ちゃん」
「…安室さん、良い人だよ」
「別れたのに?」
「……知っての通り、片思い」
先を歩く二人をコナンくんと並んで。
「………世界で一番、好きな人」
内緒だよ、と言えば言いたかっただけでしょと呆れられて。
その通り過ぎて笑って抱き上げたら降ろして、とジタバタされる。
…こういう時の子供の演技をするコナンくんが最高に可愛いからやめられない。
「きゃあああああああ!!!!」
悲鳴。
ただ事じゃないと察すれば、コナンくんを降ろして、悲鳴の聞こえた部屋の戸を叩く。
「あのー…どうかされました?」
零が開いた扉の先。
そこには、三人の女性に囲まれて声をかけられながら…首を抑えて死んでいる女性がいた。
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