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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第47章 貴方のことしか考えられない


「○○」
「……どうしましたか、安室さん」
「…いつものこと、と先ほど言ってましたけど」
「…はぁ…それ、聞かないと動かない気ですか」

もういい。
引かれてしまえ。
もうこの人には嫌われてるし、呆れられてるし。

「欲求不満なだけですよ」
「……なんだか、…再会したときの○○と同じような話し方されますね」
「見透かすなら…」

(責任取ってそばにいてよ)

「…なんでもないです」

言葉にできるわけはなかった。
この人といると私は弱くなる…でも、強くもなれる。
この人が私の、全て。

「…行きますか」

立ち上がり、軽く…額に口づけられた。
私たちは…触れ合いたくて。
本当はもっと…触れたくて。
許されないのは、お互いの立場と心の距離で。
繋ぎたい手は先を歩き、受け付けに再度向かった。

私は必死に彼の名前を呼ばないようにするのに。
零は私を名前で呼ぶ。
…ねぇ零
大好きだよ…
先を歩く背中に、心で呟いた。

受付で楠田の友人だと名乗り言えば、退院したと言われて。
いつ頃ですか、など少し詳細を聞こうとした私を制して、ナチュラルに世間話を警戒を解かせる笑顔で…いつ頃の退院など、欲しい情報を聞き出した。
……というか絶対零に気があるあの看護師さん。
なにかお困りごとがあれば、と名刺を取り出そうとする安室さんの手を引っ張って。

「安室さん、喉乾きました…!」

例え零は私のものではないとしても…嫉妬くらい、許してほしい。



自販機の前でお茶を購入して、零に渡す。
…苦しい言い訳だって零は目で訴えて。

「営業妨害って知ってますか?」
「知りません、初めて聞きました」
「貴女が不機嫌になる権限、何もないんですけどね」
「……っ…」

そんなの私が一番自覚してる。
だから…零から言われるその言葉には、結構泣きそうになる。
拒絶は、…キツイ。

「…意地悪言うくらい、許してもらっていいですか」

いじめてるみたいじゃないですか、と零が言えば、いじめられてるんだと返したくなった。





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