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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第45章 ベルモットと


提供される料理に、美味しいと思えばそろそろウイスキー飲みたいと思って来て。

「…○○、今日はカクテルなんですね」

その気持ちを見透かされてかけられた言葉。
私に話しかけてくるとは、思ってなくて。

「あら、いつも何飲んでるの?もういいわよ、好きなの飲んで」
「あー……」

言いづらい。

「ウイスキー、ですね」
「へぇ、バーボンとか?」
「げほっ…」

図星すぎて咳き込む私に、行儀が悪いわよと叱られて誰のせいだと言いたくなった。

「…今日はウイスキーの気分じゃないからこのままで大丈夫です」
「子供ですよね、そういうとこ」

馬鹿にされてる。
…というか、煽られてる。
言い返しても無駄だと言い聞かせて、飲み込んだ。
…本当は、この格好のことだって…感想が欲しいのに。

「自分が捨てたものを拾われるのは気に入らないかしら?」
「潔癖なものですからね」

バーボンと話すのは…苦手だ。
ベルモットさんに帰りたいと目で訴えれば、…彼にいうまで帰ったらダメだと。
すっかり忘れていた、
…結局、ハニートラップを試されていたことを。

「少し席を外すわ」

カクテルを飲みながら…零の顔が、はっきり見えて。
横目で見れば、視線があって…

「……ステアが、足りない」
「…はぁ……やはり、そういうことでしたか」

腕を掴まれて…立たされてベルモットさんがまだ戻ってないと言葉を無視されて…車まで連れ込まれた。

「…いい加減にしろ」

低い低い声は…零や透さんの優しい声とは、違っていて。
運転席に押し倒されるような格好に…

「そんな服…似合うと思ってるのか」

…素直に傷ついた。
零の好みじゃないとしても…

「…貴方の好みに、合わせたつもりはない」

顔を反らしながら…
零が、怖い。
盗聴器を調べる機械をダッシュボードから取り出して…
私の鞄と体に当てて…

「……そんなに、信用無くしたかな…」
「え…?」
「盗聴器なんか…仕掛けてるわけ、ないじゃん…っ、零を…陥れるようなこと…するわけないじゃん…っ」

泣いてた。
…零に疑われても仕方ないけど……仕方ない事をしたのは、私だけど。

「…馬鹿か」

零が、優しく髪を撫でて

「ベルモットが仕掛けてないから、調べただけだろ?」

…優しい口づけに…

「…話がある」

零の言葉に…頷いた。


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