• テキストサイズ

【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第45章 ベルモットと


ベルモットさんは、本当に何もしなくても。
1件目の男性と親しくバーでお酒を交わした。
今夜マティーニは頼めるのかい?という男の言葉に、マティーニはまた今度ね、と二人のやりとりを聞いていた。

どうして、私がここにいる意味があるのか。
美味しそうなウイスキーがあるなぁ、と思いながら…飲むのはカクテルだとそれ以外は好きにして良いと言われていた。
…真意が見えない。
お酒は美味しいから、なんだよ良いやとぼんやり思う。
少なくとも…今日のベルモットさんからは、悪意は感じなかった。
それではまた今度、と…ベルモットの頬に口付けた男の人は、私の手を取り手の甲に口付けた。

「貴女も、また今度」

…驚いたけれど、笑みで答えて…男がいなくなってすぐにおしぼりで拭いた。
入れ違いでやってきたのは、零で。私の姿を見て…足が止まった。

「……こんなところで何をされてるんですか」
「あらバーボン、早かったわね」
「貴女(それ)とは縁を切ったつもりでしたが」
「私が拾ったのよ」

ベルモットさんが私の肩を抱いて…

「………まぁ、好きにしてくださって構いませんが」

僕には関係ありませんし、と…ベルモットさんを間に挟んでバーカウンターに座る。
ベルモットさんの肩をつついて。どうしたの、と問いかける綺麗な顔に小声で「お腹すきました」と訴えれば笑われた。

「…マスター、適当にこの子へ」
「ベルモットさんは?」
「貴女のを少し頂くわ」

バーボンは?と訊ねると…笑顔を貼り付けた零が、大丈夫です、と答えた。

「バーボンは飲まないのかしら?」
「車で来たので」
「そう、それならこの子の帰りをお願いできるわね」
「捨てるかもしれませんよ」

それは、拒絶。
分かってはいたけど…悲しかった。

「○○ちゃんは」
「…○○で良いですよ、ベルモットさんにちゃん付けされるとすごく子供扱いされてる気がします」
「あら、自分が立派な女だと?」
「…ベルモットさんと比べるとどこも負けてますけどね…っ!」

クスクス笑われて…ベルモットさんの隣にいる零も、肩が小さく揺れていた。

「…お二人、いつのまにかそんなに仲良く?」
「今日よ。…女には、すぐに仲良くなれる魔法があるのよ」

仲良く、なんて。
違和感を覚える言葉のチョイス。


/ 687ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp