• テキストサイズ

【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第44章 愛されてることが※裏


もう一度、目を覚ましたら…誰もいなかった。
ベッドの横に、ペットボトルと薬。
…夢じゃなかったことが、悔やまれた。
私は…失敗した。
零は、ここに来てはいけないのに。
…でも、それ以上に何より…嬉しい自分が、悔しかった。
何も覚悟ができていない自分が…
体を起こして…服をきちんと着ていることに少し驚いた。
…零が着せたんだろうな、と。
コンロの上に土鍋があって、中を開けば…お粥。
体が、怠い。
…零に抱かれたい。
…風邪をひいたとき、いつも一人で。
一人暮らしには当然だけど…それがやけに寂しくなるのは風邪の時。
だから、…こういう優しさが、痛い。
今すぐ電話をかけて声が聞きたい。

「…零…」
「はい」

ただいま、と…アイスを口に加えコンビニ袋片手にした男がいて。

「アイス、食べますか?」
「…零、歩きながらは行儀悪いっていつも零が」
「うるさい」

口付けられて。
もう、何が何だか分からない。
アイスが口の中で溶けてく。

「…ぁ、も、っと…」

思わず、口から出て。

「っ…無し…ごめ、自分で」
「○○、……今だけで良い。俺もお前が弱ってるからこうしてるだけだから」
「…おかしい…です、恋人じゃない…上司でも…私達の関係はもう何もない…っ」
「………それなら、○○があの男を呼んだら帰ってやる」
「あの男って…電話の時の…?……いや、それこそ…」

恋人じゃないのに、と淀んで。

「……考えれば考えるほど、お前が俺を裏切った理由が分からなくなる」
「その話をするなら今すぐ出てって…」
「………○○、俺のこと好きか?」
「…っ…嫌い」

私の気持ちの何も汲んでくれない。

「嫌いっ…」
「…○○、自分で鏡見てみろ」

抱えられて、お風呂場の鏡の前で…顎を掴んで、鏡を見せられた。

「ついでにこのまま抱く」
「…もう、やだぁ…っ」
「俺のこと好きか?」
「大っ嫌い…!」

忌々しい。
私のことを、知られすぎて。
鏡に手をついて、嫌でも自分の顔が見える。
零に触れられて幸せな顔。
蜜口を舐める零が、指を挿入して…

「…あー、悪い……熱のこと一瞬忘れてた」
「…や、めてぇ…っ」

お願いだから。
抱くなら乱暴に…優しくしないで。

「…少し待ってろ」

零が浴室から出て行って…涙が、止まらなくなった。

/ 687ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp