【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第44章 愛されてることが※裏
…零を傷つけないために、決めたはずのことだったのに。
『どうして○○が…裏切るんだよ…っ』
悲痛な声が、夢にまで出た。
目覚めは、最悪だった。
帰って来たのも遅い時間なのに。
寝汗が、気持ち悪い。
…何かがおかしいなと思って熱を測れば38.7℃。
探偵事務所が休みでよかった。
…真っ先に、そう思った。
…誰かが、部屋に入って来て。
眠る私の額に触れて…焦った声を出した。
そんなに慌てなくても、寝てれば治ると言えば、本気で怒った声。
その声が零に似ていて…何もしなくて良いからそばにいてほしい、と…その手を、掴んだ。
「…目、覚めたか」
目を開けば、何故かそこには零がいて。
私は彼の手を…掴んでいた。
「………抱いた時、熱があった気がしたから」
乱暴にしてごめん、と…やけに優しくて。
「…ん?」
戸惑う私の額に、零は自分の額を重ねて…
「…まだ熱あるな」
まだ夢の中なんだって思った。
「………零…ごめん、なさい」
だから今だけは。
今だけは。
「黙っていて、ごめんなさい…」
「………今はいいから」
優しい唇が、重なって…
そっと首筋を撫でられた。
噛まれた痕の傷痕に触れているのだとわかって…鈍い痛みと…
少しずつ、頭が冴えて来て。
「…は、い…?」
なんで貴方がここに。
その手を払って体を起こしては…ベッドの隅で相手を見た。
無言。
ただ、ただ続く無言。
なんでこの人がここに。
…っていうか夢だったじゃないか。
「…一応言っておくが、引き止めたのはお前だからな」
優しかった目は…冷たくなって。
「抱きたくなったから、来た」
「…あぁ、…そういうこと」
どこまでが夢だったのか、分からない。
…可能であればキスをする前までの全てが夢であってほしい。
「一回じゃ、足りないんですよね」
知ってる、と…言って服をはだけさせた。
…脱ぐ力が、なかっただけだけど。
「………あぁ」
嘘つきの会話。
…私の体に触れて、蜜口を舐めて来て。
頭が、溶けてしまいそうで。
「んっ…ぁ…イ、き…」
「…○○、好きなだけイっていいよ」
うん、と何度も頷いて…零から与えられる愛撫に、絶頂を迎えた。
「………ちゃんと寝とけ」
絶頂とともに遠くなる意識に、零はそれ以上…何もしなかった。
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