【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第41章 貴方じゃないのに。※裏
これまで、零に触れていると思えって言い聞かしてた。
これまで、零じゃないとしっかりと認識していた。
無理矢理イかされたこともあるけれど…沖矢さんだけ、別だったけど。
それ以外の人の快楽なんて…溺れるわけがないって思ってた。
…だから、自分でも悔しすぎた。
私は赤井秀一との行為に…溺れた。
顔も声も違うのに。
熱に。与えられるものすべてに…
こんなに感じていいのは、零相手だけなのに。
決して顔を見せない相手に。
奥に吐き出された精液を体に感じて、染み渡る感覚は…零の時と同じ。
私は、最低だ。
零じゃない相手に零相手と同じように感じてしまっていて。
これ以上探るな、と。近づくなと最後に言われて…
カビ臭い床に寝かされたまま…出ていかれた。
服は濡れていて、口にいれられていたものは…唾液で汚れているし。
思い浮かんだいくつかの連絡先と選択肢
それでも選んでいい選択肢は一つだけだった。
携帯の電源は問題なく入った。
仕事が終わったのだろうか。
零からの着信が一件通知。
先輩から、今日はこのままあがっていいぞというメール。
どちらにも返信することはなく、アドレス帳を真っ先に開く。
『沖矢昴』
アドレス帳から選択したその人の電話番号を、鳴らした。
『どうかされましたか 』
コール音がしばらくして、つながった。
貴女からかけてくるなんて、と驚いた様子の沖矢さんの声。
「…これから言うところに迎えに来てもらえませんか。位置情報はGPSで送ります」
『どうかされましたか』
重ねて訊かれて。
「…赤井秀一は、…生きてるんですね」
『どうしてそう思われたんですか?』
「……見かけて声かけたら、犯されたからですね」
私の言葉に驚いて…
『すぐ伺います』
「電話…」
『切らなくて大丈夫です』
切りたくないことを察してくれて…
『衣類は無事ですか』
「…可能でしたら、上だけでも着替え持ってきてくれると助かります」
『わかりました』
電話越しに車の音がして、彼に位置情報をメールで送る。
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