【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第40章 デート※裏
イルカやシャチのショーに、餌やり体験。
デートというだけでも興奮気味だったのに、可愛い哺乳類に心底癒されて。
「零っ、ぬいぐるみ欲しい!」
「…はいはい」
連れ回す私に、笑いながらずっと着いてくれる零。
素直に、嬉しかった。
シャチとイルカのぬいぐるみにどっちが良いかなんて真剣に悩む時間をかけすぎて、零が取り上げて両方持ってレジに向かって買ってくれて。
「小学生並みに真剣に悩んでるから」
「ありがとうっ!」
零に、デートで買ってもらったもの。
それが…嬉しくてぬいぐるみを抱きしめた。
「……そんなに、喜ぶことかよ」
照れてる零が顔を背けた。
「○○」
今ので10回目、と。
耳元で囁かれて…その数字の意味を忘れていたから思い出しては顔が赤くなる。
さっき残り1回まで減ったのに。
…理不尽すぎる回数の増え方に、零に文句を言っても受け入れてもらえなくかった。
「満足」
「それは良かった」
広い水族館を二周して、水族館を出た。
…車に戻りたくなくて、近くの海辺に向かい人気のない砂浜を歩く。
「零、……あのね」
改めてすぎるけど。
「…降谷零として…付き合ってくれて、ありがとう」
今日じゃなくて。
…透さんと別れて、零と付き合って欲しいと言われた時に…私の世界はやっと、息を取り戻した。
「…ほんとに、ありがとう」
「……○○、…ずっと好きでいてくれてありがと」
歩む足を止めて背中から抱き締められて。
「…○○からの連絡、一度も返さなくて悪かった…」
それは…
「…昔の話?」
確かめるように言えば、零の首が縦に動く。
…抱き締められてるけど…後ろからのせいで、抱き着けない。
「○○の話…あいつから聞かされてた」
うん、と頷いて…ヒロくんと連絡取り合っていた頃。
毎日の連絡が、減って…たまに突然連絡くるようになったのに。
「会いたかった」
弱々しい零らしくない声音は…昔の零の、弱音なのだろうか?
…ヒロくんが死んだ時に、私は…貴方と悲しみ分かち合いたかった。
零と…会いたかった。
「……零…諦めて、ずっとそばにいさせてね」
私は貴方以外好きになれないから。
「責任取ってください」
「……仕方ないな」
零の腕が緩んで、向き合うように体制を変えて。
背伸びをしながら、キスをした。
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