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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第39章 会えない時間で溜まるモノ※裏


「…抜いた方が、仕事に集中できると思うけど」

椅子に座る零の前に膝をついて…
ズボンのチャックを広げた。
慌てた零が私の頭を掴み、首を振って嫌がる。

「っ…やめろ、……速攻終わらせるから待て」

額にキスをされて、零が書類に向かう。
…邪魔をするわけにももちろんいかなくて。

「○○、ちょっと頼み事」

はい、と返事をして手だけで渡された零のアクセス用ICカード。

「○○のパソコンから、これで去年のテロの資料からここの部分抜粋して」
「了解です」

…本当に、もらったその瞬間は考えてなかった。

“アクセス制限”をクリアしてテロの資料から零に言われた通り開いて、抜粋して…

先日見れなかったデータの存在を思い出してしまったんだ。
もう一つだけ、と。
ヒロくんのことについて、調べれば…報告作成者降谷零のデータが見つかって。
そのデータを…DLでは履歴がはっきりと残ってしまうと判断して…私は画面撮影を行い、自分のパソコンに保管した。

「○○、まだ?」
「…あ、ごめんなさい、すぐできる」

零に声をかけられて作業を急ぐ。
…私は、零に隠し事はしたくないと何度も言っているのにどうしてこうして増えていくのだろう。

「零、ついでに編集するから教えて」
「あー、…ここ。類似してる点があることを」

書類の元データを開いて零に画面を見せながら編集した。
……今私は、零の信用を裏切る行為をしたことに、罪悪感で。
それなのに零は疲れも相まって気づく様子もなくて。
…零が私を信頼してくれていることを、利用した。

「…○○、…これ終わったら帰る支度してて」
「了解です。…帰り、私が運転したいな」
「どうして」
「…零、疲れてるから」
「……いい、○○が助手席にいるのが好きだから」

もうすぐ終わるから、と大量にあった書類は承認印が押されていて。
さすがだなぁとしか言えなかった。

パソコンに一時保管した画面撮影した画像をUSBに移動した。
…機密情報をこのような形で外に持ち出すなんて、懲戒免職ものじゃないかと自分でため息をついてしまった。


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