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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第36章 幸せな


こんな時間だから、と消化に優しい食事が並んで、

「ご馳走様でした」
「ご馳走様」

風見を送る、と車の鍵を持つ零の手を掴んで。

「…零…、私が送ってくる」
「お前が男二人になることに対しての信用がないことは?」
「自覚してる。私は信じなくても、風見さんへの信頼なら?」
「……どうして、そこまで言う」
「私はお風呂に入って、零はまだ入ってないから」

それだけだと言い張る私に、歩いて帰ると風見さんが言えば私に後は任せたと言って。

「…可能であれば貴女の運転ではなく、自分で運転したいのですが」
「どれだけ信用ないんですか」

零が大事にしている愛車(武器)を私が傷つけるわけがない。

「零がお風呂上がるまでに帰りたいんで、急いで良いですか」
「絶対やめてください」

…この人、零の乱暴な運転を味わったことがあるなと思えば笑ってしまった。
そうは言ってみたものの、癖のある車は普通に運転する以外できないのだけど。

「○苗字○さん、仕事できるんですね」
「…さっきの資料のことですか?」
「ええ。…驚きました」
「…私自身、そんなに感じたことないですけど。零にはいつだって敵わないですし…」
「○苗字○さんは、続けるんですか」
「続けます、……零が、良いって言ってくれたから」

誰に抱かれても。
私は零のものだって言ってくれたから。

「なんなら、風見さんができないハニートラップもできますよ」
「は?貴女に?」

風見さんの素の声だった。
だから、あまりにムカついて。
目的地まで200mを告げるナビを放って。

「…ハニートラップ、受けてみます?」

唇重ねるまで1センチ。
風見さんの顔色は変わらなかった。

「そんな命知らずなことしませんよ」

その言い方をされると、確かにとしか言えなかった。

「ここで大丈夫ですよ、○苗字○さん」
「…風見さん……私、降谷さんにもですけど…貴方にも、認めて欲しいんです」

そっと胸元に額を預けて。

「………だって降谷さん、貴方のことすごく信用してるじゃないですか」

これは独り言だと前提に。

「羨ましくて嫉妬してしまいそうになります」
「……貴女に対する気持ちと、私たちに対する気持ちは異なりますよね」
「…わかってるつもりなんですけどね」

離れてください、と言われて胸元から顔を上げた。



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