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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第36章 幸せな


「貴女と仕事をしたいと、前にお伝えしましたよね」

目を逸らされて。
それでも、伝えてくれて。

「その気持ちが正しかったことを証明する、と降谷さんはおっしゃってましたよ」
「……絶対、証明します」

早く帰ってください、と風見さんが車から降りた。
家まで送るといえばもう見えてると言われて。

「…彼女としての役目も、果たしてください。降谷さんには貴女が必要なようなので」
「はいっ」

お疲れ様でした、と交わして帰る背を少しだけ見送って車を零の家に向かわせた。
零に必要だって、風見さんから言ってもらえたのが心底嬉しくて。
車を停めて部屋に入って零に飛びつくように抱き着いた。
受け止められて抱き上げられてキスをして、ご機嫌だなって笑われて。
同じシャンプーの匂いが幸せで。

「○○、明日も本庁に行ってくれるか?」
「零は?」
「今日と同じ。ポアロに行ったら…来るよ」

零は私を買い被りすぎだって思う。
零ほどチートな能力はないし、零ほど…容量もうまくない。
でも…私は貴方の、貴方たちのそばにいたくて、あの時培ったものを、無駄になんてしたくない。

「でも、私本当に爆弾とか無理だから」
「知ってる。大きすぎる音嫌いだもんな」
「そういう意味じゃない」

というか大きすぎる音が好きな人なんて少ないだろうと思えばキスをされて。
目が合うだけで、唇が引かれあう。
…引力みたいだ。

「そろそろ寝るか」
「…寝る、疲れちゃった」
「よく頑張った」

明日は土曜日。
いつもなら、トレーニングを終えてゆっくり眠れるのに。
…でも、それも嫌いじゃない。
久しぶりの空間は、私は懐かしいと思ってしまって。
公安は怖いとこだって思っていたけど。

「…いい人たち、だね」
「………ああ」

知ってる、と零が笑う。
当然のように零の腕枕で目を瞑り…幸せだな、と思った。


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