【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第36章 幸せな
「何しに来た」
「……まとめていない報告書がありまして」
「あ、風見さんが担当したこないだの事件のやつですよね。…資料足りないかなと思って加えてありますので確認ください」
零から離れて、まとめたデータを印刷した資料を渡す。
パラパラ、とめくった資料に風見さんは驚いた表情をしていて。
「………驚きました」
「○苗字○は昔から得意分野だ」
「…へへっ」
なんてたって降谷仕立てですから、と冗談含めて笑えば零は自慢げなのに風見さんは深く納得して。
「…初めて貴女が役に立つ気がしました」
「同期が、こういうこと教えてくれたんで」
「…○○は、爆発物処理の知識も、射撃の腕も、それなりにあるぞ」
「いやいや、あれは…っ」
あれは、たまたまだと笑って言うけど零は真顔で、風見さんも真面目に私を見るから…
「……期待されるほどのものではありませんし、プラスチック爆弾とかなら簡単にできますけどそれ以上のものなら時間かかりますよ」
「鍛えるか?」
「………貴方の命令なら今すぐにでも」
松田さんと萩原さんのことが、浮かんだのは…二人だけにわかって、笑ってしまって。
「良い、お前は新人らしく資料整理しておけ」
「はーい」
「今日は帰るからそれ以上は明日しろ」
またパソコンに向かおうとする私の首を掴んで、零が笑う。
…風見さんの前だからだろうけど、降谷さんは、いつもの零で。
「風見、飯は?」
「食べてます」
「夜飯は?」
「……まだ、ですが」
「車に乗れ。ついでに送る」
風見さんが私を見て、何とかしてくださいとフォローを求めて来て。
「…零、でもこんな時間だし…まっすぐ帰った方が」
「○○は風見の家で飯を食うのと俺の家で飯を食うのとどっちが良い?」
笑顔を向けられたけど、選択肢はなかった。
風見さんがすごく緊張していて、透さんとして契約している家に入る。
…実際部屋に入るのは初めてではないらしいけど。
「○○、風呂入ってろ」
「え、私今日泊まるの」
時計は1時を指しているのに。
「泊まるんだよ。上司命令」
零が意地悪く笑うから…
バスタオルを渡されて、キスをして…浴室に向かった。
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