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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第36章 幸せな


少しだけ零の自宅に寄って、着替えてすぐに車に戻った。
…辞めてから、本庁に来るのは初めてだった。
零に運転してもらうのが当たり前になりすぎて、忘れそうになるけど…降谷さんは私の上司だから、運転しないといけないのではと…車を停めてから初めて思った。

「…○苗字○、どうかしたか」
「あ、はいっ…何でもないです」

風見さんがロビーにいて、お待ちしてましたと零に頭を下げた。

「前々から話していた○苗字○○○だ」

警視庁公安部。
…そこは、とても空気が張り詰めいた。
私を見る目は、……好奇に…あれ?好奇に晒されて?

「…降谷さんの彼女って」
「降谷さんって彼女いたのか」

飛び交う小声のやりとりは…隠しきれていない。
ドン、と机を叩く大きな音。

「無駄話をする余裕があるようだな」
「「滅相もございません!!!!」」

深い深いため息のあと、私に零が笑顔で

「とりあえず初任務。あれ、今日中にまとめろ」

机いっぱいの資料を指差して。

鬼かこの人は。

私に対して甘い物に慣れすぎてしまっていたようだ。
…忘れていた、昔からこの人はこういうところがあったことを。



風見さんや、他の方の支えもあって資料はとても頭に入りやすかった。
コミュケーションがしっかり取れてる。

「○○、時間を忘れる癖。何とかしろ」

後ろから突然人肌がくっついてきたから…驚いた。

「…降谷さん?」
「“零”」
「…………れい」

耳元で囁く甘い声に、ズン、と突然疲れがきて。

「…今何時」
「間も無く0時」
「うそ、まだ全然できてない」
「……充分だろ」

他の方が作りかけていた資料も完成まで持っていこうとして、必要な資料とか引っ張っては…無駄な時間をかけすぎたかと反省したけれど。

「遅れかけてるものは全て仕上がった、おかげで他のやつ帰らせられたよ」
「風見さんは…?」
「とっく。あいつは特に、寝てなかったから帰らせた」

少しでも役に立てたみたいで良かった、と肩の力が抜けて。

「………れーい、ご褒美」

力が抜けて両手を広げてキスをまとめた。
零が笑いながらキスをしてきて、嬉しくて目を瞑っ…たところで、気配を感じて二人して入り口へ視線を向けた。

「………申し訳ありません」

風見さんが、いた。


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