【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第36章 幸せな
ポアロで昼食をとったけど、心は休まなくて。
零が楽しそうに笑ってくれるのは嬉しかった。
「○○、終わったら一緒に帰りましょうね」
…帰るんじゃなくて仕事に向かうんじゃないか、なんて思ったけど。
「…はーい」
透さんの声が甘すぎて、YES以外の回答はなかった。
事務所に戻って、いくつか資料をまとめて。
直近の依頼人への報告書をまとめれば、時間も良い時間になった。
「…○○、そろそろ終わるか」
「はい、そうですね」
「これからデートか」
「…そんな可愛いのじゃないですよ」
でも顔が笑ってると言われれば両手で頬を叩いて。
「では、お疲れ様でした!」
「あぁ、またな」
「…先輩!忙しかったら遠慮なく言ってくださいね。都合つけますから」
「皮肉か」
暇な探偵事務所なのくらいわかってるだろ、と言われれば笑ってしまって。
皮肉なつもりなんてなかったけど。
カランカラン、と鈴を鳴らしてポアロに入る。
お昼とは打って変わって店内は静かだった。
…女子高生たちも帰ったんだろうな。
「○○さん、お疲れ様です」
「梓さん、お疲れ様です…透さんは?」
「そろそろ○○が来るから、と言って帰る支度を」
ラブラブですね、と言われれば…
「……そう、ですね」
照れ臭かったけど、そう言われるのはなんだか嬉しかった。
「珍しいものを見ました」
「れ…透さん!?」
零、と言いかけた言葉を飲み込んで。
…零には思い切りバレてるけど。
「○○、ラブラブだって言われて認めたことなかったじゃないですか」
「………は、い?」
「自覚ができたようで良かったです」
何を言ってるんだこの人は。
「梓さん、お先に失礼します」
「はい、お疲れ様でした!」
帰りますよ、と手を繋がれて…指を絡まれて。
駐車場に着いて車に乗れば、零にキスをされて。
外で何をするんだって恥ずかしくなって。
「ところで○○、先程」
「……零って呼ぶの、ちょっと控えようと思ってます」
「そうしてください」
「…………でもっ…今は…透さん?降谷さん?…それとも、零?」
「………○○、挑発するのもほどほどに」
零だよ、と囁かれて。
首に腕を回して…深く深く口付けた。
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