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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第35章 そして日常へと※裏


トレーニング用のウェア。
いくつかあるなら置いていて良いと言われて。
零の家に、私の物を。
それが嬉しくて。

着替えてくる、と脱衣所に向かおうとすれば今更隠す仲ではありませんよ、と謎の威圧的な笑顔を向けられて。
触られるわけでも、見られるわけでもなく零は自分の用意を始めているから、背中を向けて着替える。
…何がしたいのか、わからない。
でも、なんだろう。
一緒の空間にいるだけで、心地良い。
髪をアップに結べば、首元が涼しい。

「あぁ、そうでした…○○」

隙あり、と笑って首の後ろに口付けてきて。

「“友人”とは、縁を切ってくださいね」

強く吸われた。痕付いただろうなぁ、と首の後ろの熱に触れる。

「はい」

切れるのは、体の縁だけ。
完璧に切るのは…できない。
零の言葉に頷きながら、内心は…真逆のことを考えた。

「行きますか」
「うんっ!」

次に沖矢さんから連絡がきたら、戻れるだろうか。
彼に抱かれる前の私に。



軽く走って。
大きめの公園について少しだけ本気で回ってくる、と零が走り出して。
私はそれを見送った。
引き続き軽く走っていれば…突然腕を掴まれて。
気配に気づかなかった、と咄嗟にその手首を掴み押さえつけようとすれば、逆に手首をねじ伏せられた。

「僕ですよ」

そんなことできるのは貴方でしょうね、と半身地面に着けて睨みつけた。

「………あー…もう、……焦った」
「しっかりと警戒出来るか試させてもらったんですが…」
「…手痛いから離してもらえますか」

はい、と離されて差し伸べられた手を掴み立ち上がる。
服についた土を軽く払った。

「……次は絶対ねじ伏せる」
「出来るものなら」

少しだけ、と…構えて組手をとる。
基本動作も久しぶりで、体が硬いと言われて。
少しだけのはずが本気で組手をしては零に敷かれて。

「…あーーーーっ、もう…一回くらい勝ちたい」
「昔から勝てたことないだろ」
「だから!!勝ちたいの!!」

昔と変わらなくて。

「それに、…○○はブランクがあるし」
「だから?」
「サボってたやつに負けるわけないだろってこと」

もっと言い方がないのか、と怒れば零の家まで追いかけっこ。
…もちろん追いつくわけもなくて、距離が開きすぎないように振り返って確認する零が…


なおさら、ムカついた。


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