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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第33章 “道具”※裏


零がキスをして、性急に陰茎を蜜口への突き立てる。
感じたいじゃない、繋がりたい。
…お互いの熱を、ただ…ただ、感じたかった。

達することもなければ、お互いを気持ちよくさせたいわけでも無く。
…零とキスをして、もっともっと…

「…泣くなよ」
「……今日くらい、強がらせてよ…っ」
「…ごめん」

朝から、みんなに怒られてる気がして。
松田さんに、馬鹿だなって。
伊達さんに、もっと自分を大事にしろって。
萩原さんに、傷つくのはお前だけじゃないぞって。
ヒロくんに、幸せになれって言ったのにって。
だからみんなのこと、朝から考えたんだって…

零がキスをして。
深く深くキスをして。

愛してる、と囁いた。

零が出かける直前までキスをして…
何度も何度もキスをして。

「行ってらっしゃい」
「…○○、…終わったら僕に連絡をください。“友人”ではなく…僕に」
「………何時でも、良い…?」
「勿論」

間に合わなくてすみません、と。
…二度とさせないからと。
最後までキスをして…

ただただ、時間が過ぎるのを待った。

降谷零の隣にいるために。
降谷零に二度と、別れると言われないために。
…笑顔を作った。

いつもよりやけに化粧が上手くいって。
いつもより綺麗な服を身につけた。
いつもよりヒールの高い靴を履いて。
いつもより強めに香水をつけた。

待ち合わせの一時間前には、ホテルのロビーにいて。
紅茶を楽しんだ。

「余裕ね」

頼もしいわ、と目の前で脚を組む…綺麗な金髪に、サングラス越しにも分かる綺麗な顔。

「ベ…」
「その名前は静かに」

白ワインをボトルで頼んで。
…優雅な姿には、目を奪われそうで。

「逃げなかったのね」
「はい、…経験値は高めておいた方が楽しいかなって」
「…嫌いじゃないわ、そういう強がり」

行くわよ、と少し早かったけれど…立ち上がる。
ピンバッチは持ってるし、繋げてる。
この会話も…あの人が聞いている。

私は、壊れるわけにはいかない。


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