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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第29章 互いの気待ち※裏


拳を握る手は緩まって。
強く強く、肩を抱かれて…そろそろ顔が見たいと伝えれば、まだ見せられないと謝られて。

「…泣いてるの?零」
「泣くわけないだろ」
「……風見さん殴ったこと、ちゃんと謝ってね」
「あー……」

…零は完璧で。
何でもできて。そつなくこなして。
いつだって格好よくて。
たまに…私にだけ見せる顔に惹かれて。
そんな零ばかり、見せられて。
そんな零に恋をして。

「今日初めて…格好悪い零を見れた」

零の肩がビク、と震えた気がして…
違うんだって…嬉しかったんだって言いたくて。

「…零……お願い…そろそろ顔見せてくれないと…悲しい」

ゆっくり顔があげられて…頬に残った涙の痕に、やっぱ泣いたでしょ、と言いたくなるのを堪えて。
だってあまりにも…取り繕って微笑むから。

「降谷零…貴方が、好き」
「…俺は…」
「零は…?」
「…迷ってる」

迷わせてる。
…それも、そうなんだよなって。
零が私を大事にしてくれていたことくらい…私が一番わかってるのに。

「今すぐお前の存在を…世間一般から無くして、…組織から逃がしてやりたい」
「…流すも何も…」

私は、…
零の腕の中で、今は思い浮かべてはいけない相手との約束を思い出す。

「他の男に抱かれる○○は……嫌だ」
「………零にはバレないようにする…」

私にしてくれたみたいに。
隠すから。

「零の前では…零しか知らない私でいるか…っ、んぅ」

キスをされて。
唇を噛まれて、舌を吸われて。

「本気で言ってるなら、…許さない」

頬を撫でられて…次は優しいキス。
首元に、肩に、腕に、胸元に…腹部に……陰部に。

「…ぁっ…」
「ふ…なに?キスしただけなのに、また濡れてる」
「ま、って…もう無理…っ」
「なんで?」

なんで?
零は笑顔で…でもそれは、笑顔じゃなくて。

「○○、…俺がお前に…組織に関わって欲しくないんだ」

零が…陰茎をまた…蜜口に挿入てくる。

「ぁっ…待っ」
「…だから、……守らせてくれないか」

自己満足でいい、と…
零がそうしたいんだって。

…いつだって私は、守られていて。
いつだって私は与えられたものを、美味しく食べる役。

「…零……ごめん」

だけど私は、…貴方と少しでもほんの少しだけでも…対等に近づきたい。



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