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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第24章 お友達


翌日。
仕事があるから、と朝早くに旅館をでて、私を家まで送り零は本庁に向かった。
…温泉でゆっくりしていって良いと言われたけど、零のいない思い出は作りたくない。
一人になるのは、まだ少し嫌だったけれど。

いつもならトレーニングを終えて仕事の準備をしている時間。
朝早くなら、学校前の彼に会えるだろうか。
探偵事務所に顔を出す小学生の姿を思い浮かべて小さく笑った。
車を買おうかな、とぼんやりと思う。
いつも零にばかり運転してもらってるし。

「…零の車、絶対運転できないし」

最近、零のせいでRX-7に愛着がある。
…特段話をしたわけではないけれど、大事にしてるんだなって手入れ具合で分かる。
うまく言えないけど零の武器、のような感じ。
銃や防護服のような…
さて、と零のことを考えながらラフな格好へと着替えてパーカーを羽織った。
トレーニング代わりに探偵事務所まで走って向かった。


探偵事務所の上にある先輩のご自宅の戸を叩けば、中からコナンくんの声が聞こえた。

「○○姉ちゃん…もう大丈夫なの?」
「心配かけてごめんね」

先輩から聞いてるであろうコナンくん。
私の顔を見て…伺うように。

「あー、○○さんっ!よかった」
「蘭さん!ご心配おかけしました…先輩、います?」
「さっきから起こしてるんですけどまだ起きなくて…」

起こしてきますね、と言われて首を横に振る。

「先輩に、明日は通常通り出勤すると伝えててもらえますか?」
「…はい、父も安心します」

コナンくんがランドセルを背負って。

「○○姉ちゃん途中まで一緒に行こ!」

手を引っ張るそれは、本当に可愛い子供で心が油断する。

「もうっ、コナンくん!」
「大丈夫です、蘭さん」
「蘭姉ちゃん行ってきまーす!」
「○○さんに迷惑かけちゃだめだよー!行ってらっしゃい!」

閉まる扉越しに蘭さんの声。
階段を下りて、ポアロを横目に覗いた。
…今日はずっと本庁の仕事なのだろうか。

「○○さん、もう少し警戒するべきだよ」
「………はい」
「ポアロのなか覗きすぎだし」
「仰る通りで」
「…○○さんに対しての安室さんは、…どういう人なの?」

私に対しての、安室さん。


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