【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第24章 お友達
「○○」
甘い声音で私の名前を呼んで腕を広げた零が笑う。
…さっきまでの上司との会話の温度差に恐怖を通り越して笑ってしまいそうだった。
あなたのそばにいたい。
…私は今、その方法を…探してる。
風見さんが去って少しした頃。
ただ抱き合ってて零の膝の上に座り何かをするわけでもなく湯畑を眺めていた。
「……○○、この後どうする」
「えっちするかしないかって話?」
「はっきり聞いたな」
そうだけど、と。
…なんだか、あの頃のような反応に笑ってしまいそうになる。
「さっきと同じことするならしたくない」
「…さっき?…あぁ、潮噴」
あまりにも普通に言いかけたので腹パンした。
零自身油断していたのか思ったより深く入って咳き込んでいて、ごめんね?と両手を合わせたら真っ黒い笑顔を向けられた。
「されたいってことですよね」
「されたくないって伝わってますよね」
「覚えとけ」
「忘れました」
クスクス笑ってしまって…
キスをして、絡み合って。
「……怖くないのか?もう」
うん、と小さく頷いて。
「えっちしたい」
照れ笑いを浮かべて、キスをすれば零が笑っていて。
「潮噴き、クセにしてやろうか」
「ッッ…零のバカ!」
零は声を上げて笑って。
珍しくそんな風に笑う零に安心を覚えて。
…零の…その笑顔に…心が満たされる。
「…めちゃくちゃにシてくれて良いよ」
笑って抱きついてキスをして。
これから…事に及ぼうとしたときに、旅館の方の声が扉越しに聞こえた。
「お客様。食事のご用意、何時頃がご希望でしょうか」
「………早めで」
零のその反応に笑うしかなくて。
我慢せざるを得ない零に笑って。
食事を終えて露天風呂に入って…体を重ねた。
月明かりに照らされる欲を含む零は…
何よりも、綺麗に見えた。
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