【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第21章 ごめんなさい
玄関の戸を開けると、昨夜会ったばかりの沖矢さんとコナンくんがいて。
散らかってるけど、と伝えた上で部屋に案内をする。
…零以外の男の人を上げるのは、初めてだった。
揃っていないカップで珈琲を淹れて2人に出す。
いつも零が座るソファにコナンくんが座っていて。
その光景になんとなく違和感を覚えた。
「…○○さん、安室さんとはあれから…大丈夫なの?」
沖矢さんがコナンくんを連れてきた理由。
…私が昨日話すことを時間の都合上避けてしまったからだと察すれば、正座をした。
「透さんは、コナンくんのこと好きだよ」
信頼してると思う、と。
「……“組織”について、私は今だに知らないことが多いけど……」
貴方達なら知ってるだろうか。
「赤井秀一さん、って知ってる?」
コナンくんの表情が強張ったのが分かった。
…やっぱり知ってるんだと思う反面、表情を少しも変えない沖矢さんは相変わらずで。
「…一度でいい、…話がしたいの」
「○○さん…残念だけど、赤井さんは亡くなってるよ」
それは、初めて聞いたことで。
零からは…調べて欲しいとしか言われてなくて。
「だとしても、……私は彼に聞きたいことがある」
スコッチ…ヒロくんの話が、聞きたいんだ。
零が私にFBIの赤井秀一に見殺しにされたと…自害を選ばせたと言った。
だけど。
「確かめたいことがあって……私自身が、その話にまだ納得できてなくて」
ヒロくんは、私に零と出会わせてくれた。
零のことを、応援してくれて…
「……誰にも、言ってないことがあるんです」
ヒロくんが事故に遭ったと言われたその前の週に。
会いたいと言われたこと。
「約束したんです、…その約束は叶わなかったけど」
来週末に会おう、と。
「………赤井さんに会うまで、…会わないならこのまま生涯、誰にも話さないことがあるんです」
事故だと聞いていたから。
だから、…
何も考えなかった。
考えることをやめていた。
零から聞いた、ヒロくんと話していたと。
私を…公安に連れてこれないかという話を聞くまでは掘り返すつもりもなかった話。
「それだけで会いたいと願うのは…ダメなことかな」
死んでいるなら、それでいい。
それ以上は振り返らない。
ただ…もし生きてるなら、確かめたいんだ。
ヒロくんが死んだ本当の理由を。
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