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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第21章 ごめんなさい


「なるほど、な」

零の方でも思い当たる節があったのか。
よく気づいたな、と頭を撫でられて褒められるけど沖矢さんの入れ知恵だとは口が裂けても言えない。

「今日は風見も他が入ってるから…一人で大丈夫か?」
「大丈夫だよ、パパ」

あまりの心配され具合に揶揄って。

「…あのなぁ」

小さく笑いながら額にキスされて。

「酒が抜けてない状態でトレーニングは危険だから今日は帰れ……顔見れて、安心した」
「ん…そうする」

そうする、と言ったけれど零と離れるのが惜しくて胸板に顔を埋めた。

「…零不足」
「………何言ってんだ」
「充電中なのでお待ちください」

もっと触れたい。
零の熱を、匂いを、…全部を。
抱かれたい、とも…誘いたい、とも思う相手は零だけで。

「…まだ充電中なのか?」

零の手が優しく髪を撫でてくる。

…キスしたい
軽くじゃなくて、…立たなくなるくらい激しいやつ。
そんなことを思えばギュー、と痛いほど強く抱きしめて。

「じゃあ、行ってきます」

これ以上いると本当に求めてしまう。
求めると…止まらなくなるから。

「○○、…また電話で」
「…ん、…終わったらかける」

今日はもう会えないんだなと思うと少し寂しい。
トレーニングは休みにする代わり、帰り道は走った。
…走らないと、零に抱かれたいという欲が頭いっぱいになりそうだからなのは別の話だけど。
自宅についてシャワーを浴び、水を飲んでバスタオルに身を包んだままベッドに倒れた。
…零の匂いを僅かに感じて…眠りに沈んだ。



電話が、鳴ってる。
…誰だろう。
相手も確認せずに電話に出た。

「はい…」
『○○さん?いまどちらですか』
「…ん、…誰?」
『まだご自宅ですか、それならボウヤ連れてそちらに伺いますよ』
「んー……わかった」

まだ眠い。
もう少し寝かせてほしい。
重たい睡魔に、身を委ねた。



ピンポン、とインターホンが鳴る。
来客だろうか。
時計を見ると昼過ぎ。
…待ち合わせには間に合うな、と目覚まし代わりになったインターホンに感謝を向けて出た。

「はい」
『○○さん、僕だよー。昴さんもいる』
『おはようございます』
「………はい?」

何が起こったのか理解できず、とりあえず服を着るから待ってと告げて慌てて寝室に戻った。



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