【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第21章 ごめんなさい
「おはようございます…っ!」
いつもの待ち合わせ場所に走ってたどり着いた私。
心臓の音は落ち着かないけど、…息はすぐに整えることができた。
「○○…、よかった」
抱きしめられて、キスをした。
…トレーニング時に、こんなことしたことがなかったから不意打ちで驚いて。
「……酒の味だな」
そりゃあさっきまで飲んでましたから、とは言えず。
「いつ帰った」
「…い、やぁ…顔が怖いです」
言わないつもりか、と髪の毛先を捕まえて…匂いを嗅がれた。
「○○」
「すみません、さっきまで飲んでました」
怖い怖い笑顔の呼びかけに、あっさりと自供した。
「…そんな状態でトレーニングするつもりだったのか」
「………トレーニング、より…零に会う方が重要だったので」
会わなかったら心配する、…零に必要以上心配はかけたくない。
「……零、怒った?」
無言に耐えきれず顔をのぞいて訊ねる。…零の顔からは、感情が読めなくて。
「…零?」
強く強く抱きしめられた。
「…あんな服用意していて…ごめん」
「あぁ……気にしてないよ。面接は無事受かったし…」
「…さっきまでその服でいたんだよな?」
何もないわけないだろう、と。
「…だから大丈夫って…私にハニートラップ作戦向いてないってわかったし」
「…そんなこと」
「あるよ………だって私、零以外の人に抱かれたくないし……」
そんなことない、と言うのは欲目だと笑う。
「零以外の人を気持ちよくできそうにないから……向いてないなぁって」
「………○○」
試したのか?と。
「試そうとしたけどダメだった、が正しいかな」
「二度とするな」
零の力が…強くて。
「…○○、抱けない女に魅力を感じる男もいる。○○のハニートラップが必要なら……抱かれない女に、そういう存在になれ」
「………抱かれない女…?」
「○○を抱いていいのは…僕ですから」
なんて愛おしい独占欲。
「あのね、零。…今日少し東都大学に行ってくる」
「?…どうして」
「さっきまで飲んでた人が通ってるところ。教授が、何か握ってるかもしれないって協力してくれることなったの」
その人の友人が失踪しているんだと、付け加えた。
…正確には友人の友人のはずだけど。
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