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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第20章 厄介な人



沖矢さんがトイレへと席を立ち、私もそれについていく…かと思えば口を押さえられたまま個室に引きずり込まれた。

シリコンブラに指を入れられて…盗聴器を取り出して、一時的に電源を落とされた。
……あとでなんて言い訳をしたら良いんだろう。

「これで落ち着いて話せますね、○○さん」
「…はぁ、…もう、ほんとびっくりしましたよ。指名まで入れるし」
「お小遣い稼ぎですか?」
「見えます?」
「見えないですね」

早く戻らないと怪しまれますよ、とこの状態にした本人が笑って言うし。

「……沖矢さんには関係ない方の仕事で、ここに来てます」
「はて」
「…簡単に言うとここのお店悪い噂があるから真意を確かめに来ただけです」

それなら手伝いますよ、なんて。

「○○さんも長々と違う男に着いてるのも疲れるでしょう?」
「………沖矢さんと一緒にいることを上になんと報告あげるか考える方が疲れます」

まぁそう言わずに、と。盗聴器の電源をいれて、シリコンブラの中に戻された。…さりげなくさっきも胸を触られた事実にはノーコメントだ。
席に戻れば教授たちが女の人と楽しそうに話していて。
…みんなで来るのに、話すのは個別なんて変なのと思えば沖矢さんにそういうお店ですからねと笑われて。

日付を跨ぐ頃、そろそろ帰ろうと教授が言って昴さんも席を立つ。

「教授見送ったらまた戻って来ますよ」

…なんで。
貴方に指名されたままだと店内回らないじゃないか、と思いながら。
教授を共に見送って、店内に戻る。
店長に耳打ちでくれぐれも失礼のないようにと念押しされながら席に戻る。

「アフター、付き合ってくれますよね」
「は?」
「まさか外に待たせてるんですか?」
「…………本当、ろくなことない」

…アフター、の言葉の意味はついさっき知ったばかりで。

「連絡だけ入れていいですか」
「…本当、過保護ですね」

『予定変更。明日の朝一に報告あげます』
『了解。気をつけてください』
『送りを利用しないと怪しまれるので、風見さんはご帰宅ください。とりあえず何もなく終わったと降谷さんにお伝え願います』

連絡先が風見さんでよかった、と心底思う。



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