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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第20章 厄介な人


初日でアフターの心配をされたが、沖矢さんとこられた教授の手前、お店側も断って欲しくなかったようで感謝をされた。

「……凄い服装ですね」

ドレスから私服に着替えた私に、まじまじと見られた後に感想を呟かれた。
タクシーに乗り込み、盗聴器の電源を落とした。

「…どこ行かれるんですか」
「家まで」
「ですよね」

こうなることはわかってた、とため息を吐いた。
…零に隠し事はしたくないのに。

「この後ご予定でもありましたか?」
「店内捜索っていう予定が」
「だと思いましたよ」

やめた方が良いですよ、と言われ…沖矢さんの顔を見た。
詳しくはまたあとで、と人差し指を口に当て微笑まれた。
…なるようになれ、とタクシーの窓から外を眺めていると、沖矢さんの手が当たって繋がれた。
顔を見ると楽しげな雰囲気に…本当に、何もかも見透かされてる感じが怖いと深い深い溜息を吐いた。



「電話、鳴ってますけど大丈夫ですか?」
「…出た方が厄介なので掛け直します」

工藤新一くんの家。
…そして今は、沖矢さんが住処されてるところ。

「メールだけでも連絡いれたらいかがですか」

そうします、と携帯を開けば零からの着信通知。

『終わったか?』
『いまどこ』
『報告いれろ』

メールの内容が簡潔で、心配してくれてることがわかる。

「…やっぱり電話掛け直しますね」
「どうぞ」

立ち上がり玄関まで行けば電話を掛け直して、ワンコールで零が出た。

『○○…今どこだ』
「お店の事情知ってそうなお客さんと、食事に来ました」
『………大丈夫なのか?』
「ええ、…大丈夫です」

心配と不安。
そんな声に耳が幸せになる。

「明日の朝、いつもの場所で」
『…くれぐれも…何か起こる前に連絡しろ』
「はい」

ではお疲れ様です、と電話を切った。
…沖矢昴。
相変わらず顔色の一つも読ませてくれない上に、こっちの事情は全て知ってるような人。

厄介な人に捕まったのは電話を切ったあとだということに気づけば深い溜息をついた。



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