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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第18章 ご褒美と聞きたくない謝罪※裏


とりあえず部屋にどうぞ、と人目を気にして家に入れても玄関から上がることはない辺りとても律儀で。

「どうされました…?」
「探偵事務所は休みと伺いました」
「はい、…そうですが」
「付き合ってもらえませんか」

どこに、と訊ねれば行けばわかりますという答え。
少し待っててくださいと告げ、クローゼットを開けば、ここ二週間で増えたスーツ。
行き場所を教えてもらえないため、運転は風見さんで向かう。
…辿り着いた場所は、射撃練習場だった。

「久しぶりに来た…」
「それもそうですよ、一般人は入れませんから」
「…緊張、しますね」
「慣れてください」

書類手続きを終え、練習用の銃を渡されて。

「○苗字○さん試しに撃ってください」

…その重さは手が覚えていた。
イヤープロテクターを装着し、構える。
その瞬間だけ…零が、いる気がして。

『力抜いて。利き手が3、もう片方が7の割合で…そう。腰を落として…ボクサーをイメージして、やや前傾』

あの頃教わった零が…こんなにもすぐそばにいるようで。
試し撃ちを一発。
響く銃声音は、やはり苦手だった。

「…銃の構え、上手いんですね」
「降谷さんに叩き込まれていたので」

…そういえば最近この音を聞いたのは探偵事務所だったなと思い出してはあの日がなぜかかなり前のように感じる。…それくらい、ここ二週間のことが濃密で。

「これ、次に中心に当てたら少しは認めてくれませんか」
「図々しいですね…でも、わかりました」

ありがとうございます、と銃を構える。
…昔、零に叩き込まれた。
もう一度思い出す。
零が手を添えて…トリガーを引く。

「…降谷さん、そっくりな撃ち方されるんですね」
「その降谷さんに教え込まれているので」

たった二発目で、と風見さんが唖然としながら的を見る。
…狙い通りに中心に当たってるのは、零を思い出したから。

「二週間、見させていただきましたが…体力は引き続きトレーニング続けてください」
「う……はい」
「貴女に降谷さんのような生活を強いるのは正直心苦しい部分がありますが…探偵事務所は、辞められないのですか」
「辞めません、零…降谷さんと相談して、減らすことは考えてます」
「…正直、貴女を良く思ってない人もこれから先いますよ」

それもそうだ、と風見さんの言葉には同意して。


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