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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第17章 これから※微裏


何度も何度も抱き合って。
外が明るくなってきていることに気がつけば、笑いあった。
…覚えたての快感のように求めてしまうのは、零だから。
意識を飛ばしそうになると優しくなる行為に、ずっとずっと…シていたいとすら、思ってしまった。



チャイムの音で目が覚めた。
零を見れば同じ音で目覚めたのだろう、うっすら目を開けて手を引いて抱きしめてくる。

「零、…ちょっとだけ離して」

誰か来たから、と言えば渋々腕を緩めた。
脱ぎ散らかしたバスローブを着て、玄関に小走りで向かってドアを開けた。

「すみません、お待たせしましたっ」
「おはようございます、降谷さ…」

目の前には、メガネをかけた…零より年上くらいの男の人。
スーツ姿の目の前の人に、どこか家違いではないかと思い浮かべるが、降谷さん、と言ったのは聞き逃さなかった。

「……どなた?」

家の中からドタバタと慌てた零の足音。
突然目の前が白い世界に包まれて…白い布で頭から足元まで隠されたことに気づいた。

「今見たものは忘れろ」

乱暴にドアの閉める音が響いた。
目の前の白い布がシーツだと気づいたのは、零がそれを取ったから。

「…その格好、人に見せるなって言ったよな」
「約束できないとも、言ったよ」

零の知り合いだって分かってたら…ちゃんとした格好をしたのに、と付け加えて。
唇が重なって、零が笑う。

「風見、少し待ってろ」
「はい!」

零の強い口調に少しだけ体が強張った。
零がシャツを着て、玄関前で待つ来客の人を部屋に入れたのがわかった。
軽く化粧をして、改めてリビングで待つ二人の前に出て行った。

「…はじめまして」
「はじめまして、降谷さんの部下の風見裕也です」
「○苗字○○○です」

綺麗に背筋を伸ばして、正座をしている風見さん。
零がソファに座って私を膝の上に座るように自分の膝を叩く。

「…流石に、それは」
「○○」

…狡いなぁ、と。
笑顔ではなく、指示をするような強い顔で。
風見さんの視線が痛い中、零の膝の上に座った。

「大体女の家に来るのにスーツなのか?」
「仕事の要件かと思いまして」

零はこの人のこと嫌いなのかなと思うくらい強い口調で。
それがバスローブ姿を見せたせいだと気づくのはもう少し後。



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