【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第16章 もう一度最初から※裏
どうして私はこんなにこの人を好きになってしまったんだろう。
感情的になる気持ちが抑えられない。
私は
「誰でも、…よかった…っ、零のことを一瞬でも忘れさせてくれるなら…っ」
苦しくて、壊れそうで。
立てなくなった私にたまたま声をかけたのが、沖矢さんだっただけで。
「帰り道に誰かに追われて、零に電話何度もかけた…でも零は、…っ…」
私は、彼を責めてはいけないのに。
彼は“仕事”で。
でもどれが本当の零?
「翌日も外を歩いていると視線を感じて、…その人の家に泊めてもらった…でも、それだけで…」
ごめんなさい、と。
繰り返し謝った。
謝ることしかできなかった。
「○○、…悪かった」
零が優しく口づけてくる。
何を考えているのかわからない零が怖くて。
でもそれを拒むこともできなくて。
嫌われてない、今はただ…それだけで、よかった。
「顔を見るのが、怖かったんだ。声を聴いたら会いたくなる。…会ったら、どうしてもあの時あの場所で何を考えたのか、…関わらせたくないのに、俺といることで関わってしまう○○との距離感を、…考える時間が欲しかったんだ」
今日会ったのは、本当に知らなかったのだと零は言った。
でも、その可能性は考えたと。
それでも会いたくて…
「それから○○の後をつけたのは、部下だ…夜中に○○をみかけたと連絡が入って、送り届けるように指示した。その日の○○の様子が、遠目から見ても普通じゃないと報告を受けたから…何かあったんじゃないかって、翌日も見張らせた」
自分の関わっている捜査に巻き込まれているのではないかって。
「…だから、○○を怯えさせたのは…」
俺だよ、と優しい優しい口づけ。
零の…感情的になった時にだけでてくる“俺”
「○○には関わらないでほしい、それは今も変わっていない…」
だけど、と零が覆いかぶさるように…押し倒されて。
「それでこんなに傷つけたら、…意味がない」
首の痕に、舌を這わせて…また吸い付く。
首筋から肩に舌が、おりて…鈍い痛みと、赤い痕。
「ちゃんと話そう」
でも、と零は言葉を続けて。
「全部、○○の体に覚えさせてからだけどな」
零が、いつもの零で。
安心して涙が、溢れた。
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