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大空に浮かぶ月を眺めながらいつも私は想いを馳せる。

第1章 七年前のあの日から。


「……っっ」
「君見たいな命を軽々しく思って、自分なら失敗しないと驕る人間に命を預けたいとは思えない。例え私や周りの人間が逃げ切れたとして、君が爆発に巻き込まれたらどうするの?残された人間の気持ちを少しは考えて行動しなさい!そしてなにより皆絶対にこういうよ“君が死んだら意味ないじゃないか”とね?」

まぁ、それは私自身にも言えることなんだけれど…私が綱吉を庇って死んだ。最後に映った視界には泣いて私の名を叫ぶ綱吉の声と周りの守護者の声だった。綱吉が撃たれたら、そう思うと無意識に行動していたけれどあれは結局私のエゴだったのだろう。置いていき、両親よりも先に死んだというのは親不孝者過ぎて顔向け出来ないといつまでも申し訳なかったと罪悪感で潰れそうになる。だからこそ、私は今度こそ死なないし、なるべく人々と助けられるように警察官になった。

「私以外の人は全員保護したのね?」
「、はい」
「爆発物処理班の人間は?」
「下で待機するように命じていて、今は俺と貴女だけです」
「分かった、ならとっとと片付けるわよ」
「片付けるって、アンタ…一般人だろ」
「澤田綱海、刑事さ…」

名探偵の台詞を真似てにっこり笑うと玄関を背に出て行く。爆発物を特定し、目の前にいる男性に爆弾を任せてから部屋に放置してあった昔使うパソコンの電源を入れた。遅い、ただ昔のだからパスワードのようなモノは緩くて助かるが…そうキーボードやマウスを打ちカタカタ、カチカチと手を休めることなく動かしていく。前世はこの古い世界の10年、20年先の未来のネットワークを動かしていたのだ。これくらい朝飯前である、入江や白蘭、ジャンニーニには負けるがこれでも情報収集係の現役ハッカーだ。昔に遅れをとるわけがなかった。私のキーボードを打つ速さと音に気が散ったのか、ぎょっとこちらを向いた男性にパソコンを見つめながらに声をかける。

「私のことは気にしないで、今爆発物と犯人の間でバグウイルスを入れて時間帯をずらすように邪魔をしているだけ。後は犯人のいる家を突き止めてハッキングしているの」
「あ、いや…こっちは時間が止まったからさ。それにしても凄いな」
「は?止まった?いや、まさか…そんなはずーー…まさか!君!他に切断するコードはないか確認して!」
「は?いや、でも…」
「いいから、そうしないとまたタイマーが動き出すわ!」
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