第3章 Loving you is Killing me. 前編
「いや、あいつはそんなんじゃねーし……だいたい千代紙は……」
俺は話ながら、バニーの腕から逃れた。
すると、バニーがパッと俺の腕を掴んだ。
「何だよーバニーちゃんっ!」
「貴方のせいだ……」
「何がっ!あ!さっき腹減ってるのに、掃除させちゃったこと!?もう、悪かったって、な!ちゃんと、気を付けるからさー」
俺がそう言うとバニーは、掴んでいた俺の腕をグッと引っ張り、
俺をギュッと抱き締めるような体勢になった。
「バニー……なんだよ、さっきから。今日、変だぞお前……」
「……」
返事のないバニーに、俺はまたおどけて声をかける。
「だいたいさーいい大人が、なんでもかんでも他人のせいにしちゃダメだろー?なッ?」
「他人……」
その言葉に反応したのか、バニーは俺の肩をグッと掴んだ。
俺は一瞬後ろによろけたものの、バニーがガッチリ肩を掴んで支えている。
そして、俺の顔を覗きこんで
「僕達は、他人なんですか?」
真剣な顔で聞いてくる。
「えっと……だって、そォだろ?」
俺は訳がわからず、そう答えた。
元同僚。元相棒。
それ以外の何があるんだ、俺達に。
「虎徹さん……僕は……」
バニーが肩に置いていた手に力を込める。
「っ……バニー……ちょい、痛ぇよ」