第3章 Loving you is Killing me. 前編
「なんか久しぶりに、キレイな床を見た気がする……」
俺が呟くと、ジロリとバニーが睨んできた。
「だらしない生活は止めて下さい。相棒である僕に恥をかかせないで下さいよ」
「……」
「あ……」
俺の無言に気付いたバニーが、小さく声を漏らした。
「虎徹さん……僕……」
「いやァ~悪かったなァ~助かったよ!ま、お礼にちょっと呑んでけば?お前の好きなの……あったかな?うちに……」
俺はキッチンに足を向けた。
するとバニーが俺の手首をパッと掴んだ。
「今日はアルコールはいただきません」
「へ?車?」
俺はハンドルを握るポーズをとって、聞いてみた。
「いえ、違います」
「あ、じゃあ……何か食う?チャーハン、作ってやろうか?」
「……チャーハン」
「腹減ってないの?」
「食べます!」
「おッ!いいね~その返事!おじさん、嬉しくなっちゃうよ」
俺は袖を捲ると、キッチンに向かった。
具材を用意して、フライパンに油を入れ温める。
その間に、卵をといているんだけど……
カシャカシャカシャ……
「なぁ……」
「はい」
「なんでお前までキッチンにいんの?」
「ダメですか?」
「いや、ダメっつーか、その、見られるとやりにくいって言うか……」
「じゃ、少し離れます」
「お、おォ……あんがと……な?」
そう言いながらもバニーがコンロの前までついてきて、俺の傍でチャーハンが出来上がるのを待っている???
そんなに腹が減ってんのかッ!?
早く作ってやんねーとなッ!